マルウェア『IcedID(アイスドアイディー)』の攻撃が本格化!Webサイト改ざんに要注意
IcedID(アイスドアイディー)の特徴と被害
IcedIDは2017年に登場が報告されているマルウェアです。2017年にIBMのセキュリティ研究者が発見したトロイの木馬型の不正プログラムで、銀行やペイメントカード会社、モバイルサービスプロバイダー、オンライン小売り、給与計算ポータル、メールクライアントなどを標的に、金融関連情報や資格情報などを窃取したり、他のマルウェアローダーとして活動したりすることが報告されています。他に主な特徴をまとめてみました。- 感染手法や発生する被害はEmotetと非常に類似しているもののEmotetとは異なるマルウェア
- Emotetの場合、Display Name/表示名を偽装しているがIcedIDは正規の送信メールアドレスを使用
- メールの件名が「返信(Re:)や転送(FW:)」ではじまる
- ZIPで圧縮されたパスワード付きメールを送付
- メール文面が日本語で書かれており、日本人をターゲットにしている
攻撃の流れ
- パスワード付きZIP形式の添付ファイル付きメールが配送(パスワードは同一メールに記載)
- ユーザがZIPファイルを解凍し、Wordファイルを開封
- ユーザがWordファイルを開いた時、マクロの有効を許可
- マクロがWindowsのシステムからmshta.exe をコピー
- コピーされたmshta.exe を利用して、htaファイルのダウンロード、実行。
- htaファイルによって、COM DLLファイルがダウンロードされ、regsvr32.exeでサービス登録。並行して、IceID /IcedIDマルウェアをダウンロード、実行。
- IceID /IcedIDマルウェアに感染
IcedIDの被害
- メールアドレスやパスワード、ブラウザなどの認証情報など個人情報の盗取
- 自組織から他の組織へ過去にやり取りしたメールに返信する形で攻撃メールが送信される
- 別のマルウェアがダウンロードされる
- IcedIDは不正なプログラムを受け取ると、ユーザが金融機関やカード支払を行う際の表示を偽装したり偽サイトに誘導したりする攻撃手法(Webインジェクション、リダイレクト攻撃)により、金融情報や資格情報を盗み取る(バンキングトロイ)
IcedIDの対策
IcedIDはユーザがWordファイルを開いた時、マクロの有効を許可することで発動します。そのためJPCERT/CCでもEmotetと同様にマクロを有効化しないことを推奨しています。また、なりすましメールの送信元はマルウェア起因でなく、メールアカウントへの不正ログインが疑われるのでパスワードを再設定するようにとも言われています。マルウェアによる標的型攻撃とWebサイト改ざんへの対策
EmotetやIcedIDのようなマルウェアによる標的型攻撃を防ぐには、従来のセキュリティ対策ソフトだけでは不十分です。近年は従来のセキュリティ対策ソフトでは検知できない標的型攻撃が増加しており、一度マルウェアが侵入すると攻撃に対処することは不可能です。日々深刻化する標的型攻撃の中でもWebサイト改ざんによる被害が増加しています。WAF(Web Application Firewall)はホームページへの通信内容を監視し、脆弱性などを検知します。HTTPプロトコルやパラメータの名前・値などを検査し、不正な通信を検知すると自動でそれを遮断します。他にも、Cookieの暗号化や応答ヘッダの追加など、さまざまなWebアプリケーションの防御機能を搭載しています。そのためWebサイト改ざんといった攻撃の防御に有効です。 WAFは、従来のネットワークセキュリティであるFW(Firewall:ファイアウォール)、IPS(Intrusion Prevention System:侵入防止システム)、NGFW(Next Generation Firewall:次世代ファイアウォール)と異なり、防御可能な通信レイヤー(層)および防御可能な攻撃の種類にその差があります。クラウド型WAFは導入コスト・運用コストが安く、自社にセキュリティのエンジニアを配置する必要がないメリットがあります。数あるクラウドがタWAFの中でもクラウドブリック(Cloudbric)は日本国内のみならず海外でも多く利用されているだけではなく、セキュリティの安全性を表す世界的な基準に準拠している点が特徴です。さらに、クラウド型WAFサービスを含め、L3/L4/L7DDoS攻撃対策サービス、SSL証明書サービス、脅威情報データべースに基づく脅威IP遮断サービス、ディープラーニング(AI)エンジンによるWebトラフィック特性学習サービスなど5つのサービスを1つのプラットフォームにて提供するため、Webサイトに対する高度かつ幅広いセキュリティを実現することができます。まさに「グローバルに活躍するクラウド型セキュリティ・プラットフォーム・サービス」であり、さまざまな機能を数多く持ち合わせたセキュリティ対策です。さいごに
IcedIDは前述のように、Emotetと似ていますが異なるマルウェアなのでEmotetを対策するツールでは防御できません。Emotetは2019年末から日本で流行し多くの被害を与えていることから、広く認知されています。2020年2月にはJPCRET/CCがEmotetに感染していないかを確認する「EmoCheck(エモチェック)」をリリースしました。Emotetへの感染が疑われたらEmoCheckで確認している企業様も多いと思いますが、IcedIDはEmoCheckでは確認できません。感染の事実に気が付かず長い間被害にあい続けてしまう、という事態が発生する可能性がでてくるのです。 IcedIDの対策は、不審なメールを受信した・不審なメールの添付ファイルを開いた場合は特定の部門まですぐに報告するよう周知するのに加え、メールで送付されたWord文書ファイルの「コンテンツの有効化」は基本的に実行しない、なりすましメールの送信が疑われる場合はメールアカウントのパスワードを再設定するといった対策を徹底するようにしましょう。またWAFの導入等、一般のセキュリティソフトでは対策できない攻撃を防ぐセキュリティツールの利用の検討も行い、日頃から多層的に防御していくことが重大な被害を防ぐことに有効です。 一石五鳥のWebセキュリティ対策「クラウドブリック」に関する詳細情報はこちらからご確認ください。 https://www.cloudbric.jp/cloudbric-waf/ ...「日経ムック 中堅・中小企業のためのテレワーク 成功の秘訣」に掲載されました。
テレワーク導入を阻むセキュリティ課題をゼロトラスト視点で見直す
テレワークのセキュリティ課題
Wi-Fiからの情報漏えい
外出先でインターネットに接続して作業する際に、公共Wi-Fiを利用することがあるかもしれません。公共Wi-Fiは無料で利用できて便利です。しかし、公共のWi-Fiはどのようなセキュリティ対策が施されているかわかりません。万が一不備がある場合は、データの盗み見や詐欺サイトへの誘導など、第三者への情報漏えいの懸念があります。 また家庭用Wi-Fiもセキュリティに不備があると、ネットワークへの不正侵入や不正サイトへの誘導、ウイルス感染の可能性があります。社内ネットワークにアクセスする手段として、家庭内Wi-Fiが悪用される可能性もあるので注意が必要です。セキュリティ対策のない私物端末の使用
テレワークで使用されるパソコンに、ウイルス対策ソフトなどのセキュリティ対策が施されていないと、万が一ウイルスに感染した際に対処できません。最悪の場合、パソコンからデータを抜き取られ、会社の情報漏えいにもつながります。VPNの負荷と脆弱性
VPN(Virtual Private Network)接続とは、インターネット上に仮想の専用線を設定し、特定の人のみが利用できる専用ネットワークです。接続したい拠点(支社)に専用のルーターを設置し、相互通信を行うことができます。「トンネリング」「暗号化」「承認」を設定することで、セキュリティ上安全にデータのやり取りを行うことができるといわれていて、テレワーク下で多くの企業が利用しています。しかし、VPNアプリは決して万能ではありません。 実際にテレワークで使ってみると、VPNで会社につなげたくても、回線や機器の負荷が高すぎてつながらない」「重たくて仕事にならない」といった声があがっています。従来のアーキテクチャでは、従業員からの通信はVPNを利用していったん内部に集約されます。クラウドサービスの利用も、いったん企業のVPNゲートウェイを経由して行われます。ダイレクトにクラウドサービスを利用する場合に比べ、データセンターへの行ったり来たりが増えて帯域もセッション数も消費し、ボトルネックとなっています。 標的型攻撃や最近のランサムウェアといったサイバー攻撃の高度化も深刻な懸念材料になっています。RDP(Remote Desktop Protocol)やVPNといったリモートアクセス環境で弱いパスワードが設定されているアカウントを乗っ取ったり、脆弱性を悪用したりと、さまざまな手段で攻撃を仕掛けてきます。一旦内部に侵入されてしまえば、共有ファイルサーバやディレクトリサーバへのアクセスも可能になり、社内セキュリティは無防備にさらされます。ユーザがインターネットを利用している間に、ウイルス感染したサイトに誘導することもできるため、VPNの使用は慎重に行わなければなりません。ゼロトラスト・セキュリティ
VPN接続の場合、ファイアウオールなどによるネットワークの「境界防御」が破られ、「安全な」ネットワークの内側に侵入されると、侵入者によって社内アプリケーションへ好き勝手にアクセスされてしまう問題があります。これまでのセキュリティ対策は、ITの世界を、信頼できる「内部」と、脅威が蔓延する危険な「外部」とに分け、外側から侵入を試みる不正アクセスやマルウェア、悪意あるメールなどを、境界で検知してブロックするという境界防御の考え方が主流でした。しかしIT環境の変化とサイバー攻撃の高度化により、もはやこの境界防御では防ぎきれない現実があります。また社内に置かれていたサーバがIaaSやSaaSといったクラウド環境にどんどん移行し、これまでは通信先も通信元も社内にあったのが、今はいずれも内部にあるとは限らず、内と外を分ける境界自体があやふやになっています。そのため、境界防御の考え方に代わって注目され始めたのが「ゼロトラスト・セキュリティ」です。場所にとらわれることなく常に認証やセキュリティ状態のチェックを行い、その結果に基づいて適切なリソースへのアクセスのみを許可していくというセキュリティの概念です。 実際米グーグルは従業員が在宅勤務をする際、VPNを一切使っていません。グーグルがVPNを使わなくなった背景には、いわゆる「ゼロトラスト・ネットワーク」の考え方があります。ゼロトラスト・ネットワークの考え方においては、どのような種類のネットワークであっても信頼しません。社内アプリケーションへのアクセスは、社内ネットワークからであっても社外からであっても必ず「アクセスプロキシー(認証サーバ)」を経由させ、社内アプリケーションの利用の可否を細かく制御しています。Cloudbric Remote Access Solutionによる安全で簡単なテレワークセキュリティの実現
Cloudbric Remote Access Solution(クラウドブリック・リモートアクセス・ソリューション)は、境界防御にとらわれない企業専用ソリューションです。クラウド基盤で提供されるため、専用線やVPNを構築せず安全なリモートアクセス環境を提供します。VPNは一般のインターネット回線を使用してユーザとサーバを接続するため、安全性が低い場合もあります。例えば、ハッカーがネットワークに侵入した場合、これを防ぐ手立てがありません。 Cloudbricが提供するRemote Access Solutionは、権限のないユーザのアクセスを遮断し、プライベートネットワークに向かうすべてのトラフィックをリアルタイムでモニタリングするセキュリティ機能を提供します。インストールや複雑な設置が不要
既存のVPNソリューションとは異なり、複雑なインストールが不要でWebブラウザ環境からログインするだけで、社内ネットワークにアクセスできます。テレワーク体制が必要な企業だけでなく、様々なオンラインサービスなどを行わなければならない教育機関や公共機関でも簡単に導入することができます。またユーザにプライベートネットワーク(Private Network)にあるWebサーバ、サーバ内のデータ、あるいはアプリケーションにリモートアクセスできるクラウドベースのセキュリティのみならず、ハッキングやの侵入、DDoS攻撃まですべて防御できるセキュリティ機能も提供します。特徴
- 拠点間ゲートウェイの設置不要
- 追加ソフトウェアのインストール不要
- DNS情報の変更だけですぐに利用可能
- Webブラウザからログインするだけで遠隔地からも業務を進められる
- モバイル、タブレットなど様々な端末から社内環境へアクセス可能
リモートアクセス環境を安全に保護
3つのセキュリティ対策を通じて、あらゆる方向からのサイバー攻撃を事前に防御します。様々なWeb脅威を防御し、送受信されるすべてのトラフィックへの安全性を確保しつつ、いつ、どこでも社内ネットワークに安全にアクセスすることができます。すべてのセキュリティ機能には、別途インストールが必要なく、ユーザとサーバ間のトラフィックが基本的に暗号化されて転送されます。3-Layer Security
- Traffic Monitoring(トラフィックのモニタリング)
- User Authentication(ユーザ認証)
- Hack Prevention(ハッキング対策)
ペンタセキュリティ、ラテラル・シンキングとパートナー契約を締結、Webセキュリティの提供を加速
ラテラル・シンキング社は札幌に本社を構えているソフトウェア開発会社で、Webシステム、アプリケーションの開発・保守・運用までトータルサービスを提供する。 札幌・東京・名古屋・福岡の4拠点で地域間にとらわれないサービスを提供するとともに、開発規模に合わせた柔軟なリソースを確保しているため多くの顧客から信頼を獲得している。
今回のパートナーシップの締結を通じて、両社はクラウド型セキュリティ・プラットフォーム・サービスの「クラウドブリック」提供における相互協力を開始する。「クラウドブリック」はクラウド型WAFサービス(Webアプリケーションファイアウォール)に無償SSL、L3/L4/L7のDDoS攻撃対策を基本機能として提供する。そこに、ブロックチェーン基盤の脅威IPサービスとWebトラフィックを学習するAIエンジンの搭載による高い検知精度の向上及び性能の高度化を実現し、より安全なWebセキュリティ環境を支援する。Webシステム開発に強みがあるラテラル・シンキング社は「クラウドブリック」を提案することで、顧客に対する提案力を上げるとともに拡大する顧客のセキュリティ対策ニーズに応えることができ、セキュリティへの専門性を強化する。
一方、 IoTやスマートデバイスなど、今後注目を集めると予想されるセキュリティ分野において、 ラテラル・シンキング社のシステム開発力とペンタセキュリティのセキュリティ・ソリューションを連携し、相互協力を推進していくことも期待される。
ペンタセキュリティ日本法人代表取締役社長の陳は、「 企業でのクラウドインフラへのシフトが加速するにつれ、Web脅威に対する統合的なセキュリティサービスを提供するクラウドブリックのお問い合わせが多く寄せられてる」」とし、「幅広いパートナーシップを通じてサービスネットワークを拡大し、他社とは一線を画した技術力をベースに、安全なWebセキュリティ環境の実現に向けて努力していきたい」と述べた。
さらに巧妙化し進化を遂げるDDoS攻撃に対する有効な防御手段について徹底解説
DDos攻撃とは
ネットワークを介してインターネット上で多くのサービスが提供されています。攻撃者はそういったウェブサイトや組織で利用しているサーバに対して大量の処理要求を送ります。処理が追い付かなくなるほどの処理要求を受けたウェブサイトやサーバは、閲覧ができなくなったり、処理が遅くなったりするなど、サービスの提供が正常に行えなくなります。こうした攻撃は、DoS攻撃(Denial of Service attack)やDDoS攻撃(Distributed Denial of Service attack)と呼ばれる攻撃によって引き起こされます。Dos攻撃は単一のコンピューターからの攻撃ですが、DDos攻撃は複数のコンピューターからの攻撃です。Dos攻撃もDDos攻撃も最終的な目的は同じですが、ターゲットにされたサーバの処理が停止し、次のような『サービス妨害攻撃によるサービスの停止』に陥ります。- 企業のホームページが閲覧できなくなる
- ECサイト、イベントチケットの販売等、ネット販売サービスの提供ができなくなる
- 動画配信サイトのサービスが停止する
DDos攻撃の対策
DoS攻撃は、標的となるWebサーバにリクエストを送りつける攻撃と、Webサーバの脆弱性を悪用する攻撃の2種類に分けることができます。前者には、大量のリクエストを送りつける「フラッド(洪水)攻撃」や、ホームページがデータのやりとりをする仕組みを悪用する「スロー攻撃」などがあり、DDoS攻撃はこの2種類の発展型といえます。サイバー犯罪者は、パソコンをボットウイルスに感染させ、遠隔操作を可能にすることで、数千台、数万台のパソコンからDoS攻撃を行えるようにしました。ボットウイルスに感染したパソコンから、発信元を攻撃先のWebサイトに偽装したリクエストを送りつけ効率よく攻撃します。一般的な対策として、IPS・IDS、WAF製品による防御がとられています。IPS(Intrusion Prevention System)
IPSは不正侵入防御システムと呼ばれ、すべてのトラフィックを監視し、洗浄することで正常な通信のみをサーバに送るという役割を果たしています。そのため、DDoS攻撃もIPSによって検知され、洗浄されます。大規模なDDoS攻撃は、IDS(不正侵入検知システム)などで検知することができますが、小規模なDDoS攻撃は、企業が一般的に検知できるレベルを下回るため、攻撃を受けていることに気づきにくいデメリットがあります。しかも、最近は小規模かつ隠密性が高いDDoS攻撃が増えているとも報告されていてやっかいです。最近の小規模DDoS攻撃では、サーバを停止させずに、サーバのパフォーマンスを長期間にわたって下げることを目的にしています。こうした攻撃が長期にわたって行われることで、知らず知らずのうちに大きな被害を受けることにつながる危惧があります。WAF(Web Application Firewall)
Webサーバの脆弱性を悪用しようとするDoS攻撃には、WAF(Web Application Firewall)も効果的な対策となります。WAFは、アプリケーションレイヤーで不正な通信を遮断し、脆弱性を悪用しようとする攻撃を検知してブロックするため、たとえ脆弱性が存在したままでもDoS攻撃を防ぐことができます。WAFではIPS・IDSが対処できないWebアプリケーションへの攻撃、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングといった攻撃にも対応することが可能です。 DDos攻撃の対策にはどちらの対策のほうがより効果があるということではなく、それぞれ防御するレイヤーが異なるので組み合わせていくことがより効果的な防御につながります。さらには、近年の巧妙化するDDoS攻撃には、こうした一般的なIPS・IDS、WAF製品だけでは物足りない状況も発生しています。攻撃側の進化に伴い、防御にはより高速でリアルタイムに処理できる技術が今求められているからです。そのひとつのソリューションとして、エッジコンピューティングを活用したクラウドブリック(Cloudbric)の『Advanced DDoS Protection』をご紹介します。『Advanced DDoS Protection』のアドバンテージ
エッジコンピューティングを活用した高速処理
クラウドブリック(Cloudbric)の『Advanced DDoS Protection』はエッジコンピューティング技術を活用し、より確実に防御を実現しています。 エッジコンピューティングとは エッジとは、モバイル機器などのデバイスや、無線基地局、局舎などネットワークのユーザ側終端ことを指します。こうしたエッジ上の機器でデータ処理を行うことを「エッジコンピューティング」と呼ばれています。エッジコンピューティングでは、大量のデータ処理を、多数のエッジ、クラウドにまたがって実行します。エッジコンピューティングでは、ユーザ側機器で発生する膨大なデータをクラウドですべて処理するのではなく、生成元であるエッジ上で処理することで、処理を分散するアーキテクチャに変化してきています。エッジ側でデータ処理を行うことでリアルタイム性の確保、セキュリティリスクの低減、通信量の削減を実現できるテクノロジーです。あらゆるモノがネットワークに繋がるIoT時代で特に求められている技術で、クラウドとエッジで適切な機能配置を行うアーキテクチャが今後主流になるといわれています。 Advanced DDoS Protectionはこのエッジコンピューティングを活用し、保護対象と物理的に近い場所にあるエッジロケーションを通じてワークロードを分散させ、安定的なリクエスト送信を行います。それによって、DDoS攻撃が発生した際に効率的な作業及び即時対応が可能になります。待ち時間が60%短縮されたエッジコンピューティングと、エッジロケーション間の専用ネットワーク構築により、DDoS攻撃に対し従来に比べ10倍以上の速さで快速に対応できます。 この高速処理により、1秒当たり最大65テラバイト(Tbps)規模の攻撃まで防御可能です。大量のトラフィックによる大規模で高度なDDoS攻撃に対する緩和機能を提供できるので、最大規模の攻撃にしっかり対応できます。Advanced DDoS Protectionの機能
リアルタイムネットワーク保護
インフラへの攻撃に対しリアルタイム検知・分析及び遮断を行います。また、インラインで遮断されたトラフィックはグロバール・ファイバーバックボーンを通じて分散されます。様々な種類の攻撃にしっかり対応
UDP、SYN、HTTP Floodなど、ネットワーク層(L3,4)からアプリケーション層(L7) まで、様々なDDoS攻撃に対し、最善のセキュリティ対策を提供します。脅威を自動検知するインテリジェント機能搭載
悪性のDDoSトラフィックをインテリジェントにルーティングするために開発された「フィルタリング・アルゴリズム」により、許可、遮断に関するルールが自動的に作成されるため、どんな攻撃にも迅速に対処できます。 DDoS攻撃は年々巧妙化・複雑化し、進化を続けています。従来のセキュリティ対策では防ぎきれないため、新たな脅威に対する備えが必要です。頻繁に行われる従来型DDoS攻撃から、マルチベクトル型攻撃やアプリケーション攻撃などまで、全範囲におけるDDoS対策サービスを提供するのが、Cloudbric ADDoSです。 Cloudbric ADDoSの詳細はこちら https://www.cloudbric.jp/cloudbric-addos/ ...クラウドコンピューティング時代に注目されるVPSとは?
クラウドとは
クラウドはクラウドコンピューティング(cloud computing)の略語で、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態です。「ユーザがインフラやソフトウェアを持たなくても、インターネットを通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ利用する考え方」のことです。 クラウドコンピューティングは、1台の物理サーバに複数台のサーバを仮想的に立てることができるハイパーバイザー(仮想化技術)により実現したものです。このようなサーバは「仮想サーバ」と呼ばれ、物理サーバに近い環境が仮想的に作られています。この仮想サーバの登場により、スペースは今までと変わらない物理サーバ1台分のスペースで複数の仮想サーバを運用することができるようになりました。データーセンターの集約にもつながることから、クラウドコンピューティングは、サーバの統合にふさわしいとされています。また仮想化により、サーバ(インフラ)をユーザが好きなときに好きな分だけ利用できるクラウドサービスの提供も可能になったのです。VPSとは
VPSも仮想化技術を使って、仮想サーバをクライアントに提供しています。 VPS(Virtual Private Server、仮想専用サーバ)では、1台の物理サーバ上に 契約者それぞれに仮想サーバが割り当てられ、複数の仮想サーバが構築できます。1台の物理サーバを共有することではなく、契約者それぞれに独立した空間に異なるOSをインストールし利用することが可能です。独立した環境が実現できるため、同じサーバ内で運用されている他のサイトに障害が起きたり、多くのアクセスが発生したりしても自社のサイトに影響を受けないし、導入や運用に自由度が高く、カスタマイズが容易にできることが特徴です。VPSとクラウドの違い
VPSの特徴
- 低価格で仮想サーバ1台を利用できる
- 完全月額固定料金
- あらかじめ決められたプランのリソースを選択する
- 急なアクセス負荷時等に、リソースを増減できない
- 1契約で複数台の仮想サーバを構築できない
- サーバの削除は契約を解約する必要がある
クラウドの特徴
- 1契約で複数台の仮想サーバを構築できる(台数制限無し)
- 用途に応じた仮想サーバが構築することができる
- 外部アクセス、内部アクセスとネットワークを分けて安全なサイト運用が可能
- 急なアクセス負荷時等に、リソースを増減できる
- 検証・開発環境から本番環境へスムーズな切り替え運用ができる
- サーバ環境を丸ごとテンプレート化し、異なる仮想サーバに適用できる
- ロードバランサーやバックアップ機能が標準装備
- 専用セグメント(VLAN)やVPNなど高セキュリティな運用ができる
- 月額固定料金もしくは従量課金
クラウドサーバプロバイダーの選び方
サーバ(インフラ)を提供するクラウドサービスのIaaS( Infrastructure as a Service)を代表的な例としてはAWS(Amazon Web Services)やLinodeなどが挙げられます。AWSのシェア拡大と低下する質の問題
現在、日本国内のクラウドサービスのシェアはAmazonの「Amazon Web Services(AWS)」が約5割を占め、トップシェアを誇っています。次いで「Microsoft Azure(MA)」が約3割、業界3位に国内メーカでもある富士通の「FUJITSU Cloud Services」が1割のシェアを獲得している状況です。これまではクラウドコンピューティング=AWSというイメージも強い物でしたが、果たしてAWSにはそれほどのアドバンテージやメリットが存在するのでしょうか?大きくなったデータセンターに障害や災害による被害があるとその影響は大きく、昨年、日本時間2019年8月23日に業界トップのAWSのサーバに数時間の障害があり、アクセス不能となっただけでも、その障害の影響力の大きさは大々的に報じられました。つい先日の10月22日にも、AWSの東京リージョンで障害が発生しモバイル決済サービス「PayPay」や一部のスマートフォンゲームなどが利用しづらい状態になりました。 こうしてデータセンターに障害が起こった場合、自社サービスに影響が及ばないのか、丁寧なサポートは受けられるのかといった疑問が生じます。AWSのシェアの拡大と同時に、安定稼働の問題、サポートの質の低下、割高な料金、ほとんどが使用されない複雑なアプリケーション構成…といった問題が膨らんでいます。そんな中、多くの開発者がAWSに替わった別のソリューションを提唱しています。Linodeクラウドサーバ・サービス
AWSの代替としてお勧めしたいのがLinodeクラウドコンピューティングを利用したクラウドサーバ・サービスです。LinodeはアマゾンのAWSの3年前の2003年に設立されたクラウドプロバイダーです。- コストとパフォーマンスの最適化
- クラウド料金のコスト削減を実現
- オープンクラウド (ベンダーロックインなし)
- リアルカスタマーサービス
- 100%独立したオープンクラウド
- シンプル
- 非競合
クラウドブリック、安全なクラウドサーバー・サービス(IaaS)の提供に向けてLinodeとパートナーシップ締結
今でも続くWebアプリケーションへの攻撃!JPCERT/CCの最新レポートから読み解く攻撃手法を解析
10月15日、一般社団法人 JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)が、2020年第2四半期のインシデント報告対応レポートを発表しました。国内外で発生するコンピューターセキュリティインシデントの報告をとりまとめたもので、今回は2020年7月1日~9月30日までの間に受け付けたインシデント報告の統計および事例について紹介されています。それによると、今期のインシデント件数は8386件で、前四半期の約1.2倍へと拡大しています。またフィッシング攻撃やWebサイトの改ざん、マルウェアサイトなどで増加が見られたということです。今回はこのレポートを基に、今危機感を持つべきWebサイトへの攻撃への高まりとは具体的に何か、その対処法はあるのかを重点においてお届けしていきたいと思います。
インシデント報告対応レポート統計
JPCERT/CCは、インターネット利用組織におけるインシデントの認知と対処、インシデントによる被害拡大の抑止に貢献することを目的として活動しています。今回発表されたレポートの統計についてまとめてみました。インシデント報告関連件数
引用:JPCERT/CC
こちらの図に示されているWebフォーム、メール、FAX等でJPCERT/CCに寄せられた報告の総件数は13,831件で、前四半期の1万416件から33%増加しています。JPCERT/CC が国内外の関連するサイトとの調整を行った件数は 4,807件で、前年比で調整件数は14%増加しました。インシデントのカテゴリーごとの内訳
引用:JPCERT/CC
インシデントの内訳を見ると、「フィッシングサイト」が5845件で前四半期から11%増加しています。7月は1842件、8月は1849件、9月は2154件と後半にかけて増加傾向が見られます。今期気になるのは、「サイト改ざん」と「スキャン」行為といったWebサイトを狙った攻撃の増加です。「サイト改ざん」は374件で、前四半期の291件から増加、「スキャン」行為も1380件で、前四半期の982件から拡大しています。その他「マルウェアサイト(158件)」「標的型攻撃(16件)」といった攻撃も前期を上回っています。Webサイトを狙った攻撃の増加
JPCERT/CCのレポートに基づいたWebサイトを狙った攻撃の増加には主に、「サイト改ざん」と「スキャン」がありました。これらについて具体的に解説していきたいと思います。サイト改ざん
Webサイト改ざんとは、企業などが運営する正規Webサイト内のコンテンツやシステムが、攻撃者によって意図しない状態に変更されてしまう攻撃です。攻撃者がWebサイトを改ざんする際の攻撃手法としては主に脆弱性攻撃による改ざん、管理用アカウントの乗っ取りによる改ざん、パスワードリスト攻撃の3種類があります。 1. 脆弱性攻撃による改ざん- Webサーバ上の脆弱性を攻撃することにより、最終的に改ざんを実現します。
- 脆弱性の利用方法として、SQLインジェクション、Stored XSS、などの脆弱性攻撃により直接コンテンツの改ざんを行う方法と、脆弱性攻撃によりバックドアを設置するなどして遠隔操作で改ざんを行う方法の2つがあります。
- 主に、サーバOS、Webサーバ、CMS、管理ツールなどのミドルウェアの脆弱性が狙われます。
- Webサーバにリモートアクセス可能な管理用アカウントの情報を窃取して乗っ取り、正規の方法でWebサイト操作を行って改ざんします。
- 正規のWebサイト操作方法により改ざんが行われるため、被害に気づきにくい特徴があります。
- パスワードリスト攻撃とは、攻撃対象となるWebサイトではない別のWebサイトから搾取したユーザー情報を使い、攻撃対象となるWebサイトで不正ログインを試みるサイバー攻撃です。
- アカウントIDやパスワードをすべて別々に管理することが面倒なため、管理者PCや複数のWebサイトで同じアカウントIDやパスワードを使用しているケースがあります。
スキャン
スキャン攻撃とは、サイバー攻撃者が、攻撃先を探すために行うポートスキャンです。脆弱性の探索や侵入、感染の試行などを検知した件数が今回のレポートで増加し、警告されています。ポートスキャン自体は、サーバなどに対して稼働しているサービスを探り、開放されているポートを調べる行為で違法なものではありません。しかし、攻撃の事前準備として行われることが多いため、日常から適切な対処が必要となります。サイバー攻撃の手口は年々巧妙化していますが、システムの脆弱性を突くのが攻撃の基本となります。その脆弱性を見つけ出すためにポートスキャンは使われるのです。例えば、空いているポートがわかれば、そのポートを侵入経路として利用することができます。またサーバのOSやバージョンがわかれば、OSに依存する脆弱性を突くことができるのです。ポートスキャンも同様に、これ自体はサイバー攻撃ではなくても、これから被害が発生するかもしれないサイバー攻撃の予兆としてとらえることが重要です。WAFで防御できること
こうした警鐘をならされているWebサービスへの攻撃の増加に対し、有効なのがWAFを用いた防御システムです。例えばWAFで防御できることには以下の様な項目があります。- SQLインジェクション
- クロスサイトスクリプティング(XSS)
- クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)
- OSコマンドインジェクション
- ディレクトリリスティング
- メールヘッダインジェクション
- パス名のパラメータの未チェック/ディレクトリトラバーサル
- 意図しないリダイレクト
- HTTPヘッダインジェクション
- 認証とセッション管理の不備
- 認可制御の不備、欠落
- クローラへの耐性