IT技術の発達とともに、サイバーテロや情報漏えいに対する情報セキュリティが重要視されています。専門的な知識も必要になるため、情報セキュリティに関する資格の取得することによって、サイバーセキュリティ等に対して適切な判断を下せるようになります。
情報セキュリティに関しておすすめな資格は7種類あり、取得するのであれば企業の方針や個々の立場、スキル、経験に合わせることが大切です。本記事では、資格の種類や概要、難易度について解説します。
情報セキュリティの資格とは?
近年のインターネットやIT技術の目覚ましい進化に伴い、情報漏えいやサイバーテロなどの悪意ある攻撃が急増しています。このような状況から、情報セキュリティの重要性がますます高まりました。
情報セキュリティの資格は、インターネット上に保管されているデータの適切な運営、保護に関する知識、対策、技術力などを証明するものです。データ漏えいやサイバー攻撃からの損失を最小限に抑えながら、「情報セキュリティに詳しい人材がいる」という事実が、個人のキャリアや組織の信頼性を向上させる効果も期待できます。
情報セキュリティの資格を取得するメリット
情報セキュリティの資格は専門的な知識やスキルを有する証明になります。資格を持つことにより、「自分は情報セキュリティに関して専門性の高い人材である」と自信を持ってアピールできることは大きなメリットです。
また、スキルを活かした実務の推進にも役立ちます。組織内で情報セキュリティの改革を進める際、資格保持者は最新の技術やベストプラクティスを考慮し、安全性を向上させるための施策を提案できるはずです。これは組織の信頼性を高め、顧客やパートナーからの信頼獲得に貢献します。
社内におけるIT人材の育成にも効果的です。組織内の従業員が情報セキュリティの資格を取得することでスキルアップが促進されるようになるとともに、組織全体のセキュリティ意識が高まります。このような変化は内部からセキュリティの専門家を育て上げることにつながり、長期的なセキュリティ戦略の成功をもたらす要因です。
おすすめの情報セキュリティ資格一覧
- 情報処理安全確保支援士試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
- シスコ技術者認定
- 情報セキュリティ管理士認定試験
- 公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
- (ISC)² 資格
- AWS認定セキュリティ
情報セキュリティに関する2つの国家資格
情報セキュリティは国家資格と民間資格に分かれます。国家資格は情報処理安全確保支援士試験と情報セキュリティマネジメント試験です。
・1. 情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、マネジメント・エンジニアの共通分野の試験であり、情報処理システムにおけるセキュリティ確保に関したスキルが問われる資格です。
情報セキュリティの専門知識や実務経験を活かし、システムの潜在的な脆弱性を特定しながら、適切な対策を講じるスキルが評価されます。
内容が高度なため難易度が高く、合格するためには幅広い知識と実践的なスキルが必要です。
・2. 情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、マネジメント分野に焦点を当てた国家試験です。情報セキュリティの基本的な知識やトラブル発生時の対応についての内容が問われます。
難易度は比較的低く、特にエンジニア職を目指す人に向いています。情報セキュリティを組織内で適切にマネジメントするためのスキルや知識を評価する内容になっており、情報セキュリティにおけるポリシーの策定、リスク評価、セキュリティ対策の計画立案などが含まれます。
情報セキュリティに関するおすすめの5つの民間資格
前述の国家資格のほか、情報セキュリティに関する民間資格の取得もおすすめです。
・1. シスコ技術者認定
シスコ技術者認定は、世界的なネットワーク開発メーカーであるシスコが提供するセキュリティ試験です。情報セキュリティ分野における専門知識とスキルを証明するための信頼性の高い資格として知られています。以下4種のシスコの情報セキュリティ資格が特に有名ですが、難易度が高いため、入念な準備が必要です。
- CCENT:ネットワークの基礎知識が必要
- CCNA Security:CCENTの上位資格で、ネットワークの保護に関する知識が必要
- CCNP Security:CCNA Securityの上位資格でネットワーク環境の構築、トラブルへの対応力が必要
- CCIE Security:CCNP Securityの上位資格で、国際的に認められている情報セキュリティの上級資格
・2. 情報セキュリティ管理士認定試験
情報セキュリティ管理士認定試験は、全日本情報学習振興協会によって実施されている試験です。主に事務系や管理系の職種向けの情報セキュリティ資格として知られています。この試験は、情報セキュリティの基本的な概念と実務的なスキルや習熟度に焦点を当てており、難易度は比較的低いとされています。
・3. 公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
公認情報セキュリティマネージャー(CISM)は情報通信の国際団体ISACAが主催しています。情報セキュリティマネージャーとしてのスキルと知識を証明するための国際的な資格です。幅広い情報セキュリティ関連トピックスに関する知識やスキルが要求されます。日本語対応の教材が少ないため、難易度は比較的高めです。
・4. (ISC)² 資格
(ISC)² 資格は国際的な非営利団体(ISC)²が主催しています。国際的な評価を受けるこの資格は、情報セキュリティ分野のスペシャリストを対象としており、非常に高い難易度です。しかし、取得した資格は国際的に評価されます。情報セキュリティの専門家としての能力を示す強力な証明になることは間違いありません。
ただし、合格後も定期的な資格更新が求められるため、専門知識とスキルを継続的に磨き続ける必要があります。
・5. AWS認定セキュリティ
AWS認定セキュリティは、Amazonが提供するクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Services)が実施している資格試験です。AWSのセキュリティサービスやベストプラクティスに関する深い理解を持つ専門家を対象にしています。
AWSは多くの企業や組織にとって重要なクラウドプロバイダーです。そのセキュリティに関するスキルと知識もますます求められるようになりました。技術者が注目するべき資格のひとつであることは間違いありません。
まとめ
情報セキュリティに関する資格は、昨今の情報社会において重要視されるようになりました。高度な知識やスキルが求められる資格が多いですが、取得の難易度には差があります。取得する際には自分の立場に求められる資格やキャリアパスを考慮し、適切な資格を選択しましょう。
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