中堅・中小企業のWebセキュリティ対策

中堅・中小企業のWebセキュリティ対策は何から取り組むべき?

インターネットの普及を背景に、悪意のある第3者からのサイバー攻撃に備えて、Webセキュリティ対策をしておく必要があります。もちろん、大企業だけでなく、中堅・中小企業も同様に、Webセキュリティ対策は意識しておかなければなりません。そもそも、悪意のある第3者からの攻撃を受けているのは大企業だけではなく、近年は中堅・中小企業が被害に遭う割合が増加傾向にあります。しかし、そんな中堅・中小企業のWebセキュリティ対策の方法が分からないこともあるでしょう。

本記事では、中堅・中小企業のWebセキュリティ対策で取り組むべきことについて解説しています。

 

Webセキュリティ対策を立てていく中堅・中小企業の特徴とは?

年々、増加傾向にある悪意のある第3者からのサイバー攻撃。そのなかで、特にターゲットとされる事案が増加しているのが中堅・中小企業です。

中堅・中小企業がターゲットとされる理由は?

悪意のある第3者が中堅・中小企業を攻撃のターゲットにする理由は、大企業と比べてWebセキュリティ対策をきちんとしていないところが多いためです。そもそも、中堅・中小企業が大企業と比べてWebセキュリティ対策が不十分な理由は、「まさか自社がターゲットにされることはない」という意識の低さもありますが、経営状況も大きく影響するようです。Webセキュリティ対策には、膨大な費用もかかりますし、基本的には担当者を設けなければ上手く運用できません。

悪意のある第3者が中堅・中小企業をターゲットとする目的は?

悪意のある第3者が中堅・中小企業をターゲットとする目的は、大企業と比べて対策が疎かになっていることは前述しましたが、実はそれだけではありません。他にも、「本命のターゲットの足がかり」とする目的で狙われることがあります。そもそも、本命とする企業が強固なWebセキュリティ対策をしている場合、直接攻撃することは困難です。そのため、本名のターゲットと直接取引のある中堅・中小企業を足がかりとして狙うケースも珍しくありません。このようなた場合、足しかがりとするために狙われた中堅・中小企業は、サイバー攻撃による直接的な被害に加えて、情報を流出させてしまったことで取引先の大企業から損害賠償を求められるなど、間接的な被害も受けてしまうことも考えられます。

 

中堅・中小企業におけるWebセキュリティの脆弱性とは?

中堅・中小企業で、悪意のある第3者による攻撃を受ける可能性がもっとも高いツールが企業ホームページやキャンペーンページ等のWebサイトです。そして、そのWebセキュリティの脆弱性を衝いた攻撃の手口としては、主に以下の手法が存在します。

  • SQLインジェクション
  • クロスサイトスクリプティング
  • DoS攻撃
  • ランサムウェア

中堅・中小企業のサイトで「お問い合わせフォーム」を設けており、Webセキュリティ対策が不十分な場合は、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングで攻撃される可能性があります。SQLインジェクションとは、お問い合わせフォームにデータベースの管理や操作を行うための言語である「SQL」を混在させた文章を送り、データベースが不正に操作されて情報を奪う手法をいいます。

SQLインジェクションについての詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

SQL Injectionとは?脆弱性に対する3つの対策について解説!

また、クロスサイトスクリプティングは、お問い合わせフォームに不正なJavaScriptが埋め込まれたことで、Webサイトが不正改ざんされる手口です。ちなみに、お問い合わせフォームを設けていなくてもこれらのサイバー攻撃を受けることがあるため、中堅・中小企業にとって安心はできません。

例えば、DoS攻撃の被害を受ける危険性があります。DoS攻撃とは、Webサイトに短期間で数万回もアクセスすることにより、ページの表示を極端に遅くしたりサーバをダウンさせたりする手口のことをいいます。そして、これらの攻撃を受けた後、ウィルス(ランサムウェア型)によってパソコンなどが操作不能状態にされた後、悪意のある第3者が解除を条件にお金(身代金)を要求してくるランサムDDos攻撃をしてくる危険性もあります。

ランサムDDos攻撃についての詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

ランサムDDos攻撃とは?最適な対応策について解説!

 

 中堅・中小企業がサイトを運営する際に必要なWebセキュリティ対策とは?

中堅・中小企業にとって、悪意のある第3者が攻撃してくるツールとして、ホームページがターゲットとなりやすいことは前述しました。このような背景から、Webサイトを運営する中堅・中小企業は、しっかりとしたWebセキュリティ対策をしておく必要があります。しかし、その必要性が高いことは分かっても、具体的なWebセキュリティ対策について分からないこともあるでしょう。ここでは、Webセキュリティ対策の始め方や具体的な施策方法について解説しています。

Webセキュリティ対策は何から取り組むべき?

中堅・中小企業がWebセキュリティ対策に取り組むためには、何を守りたいのか明確にしましょう。大企業と違って、中堅・中小企業はWebセキュリティ対策に費やせる費用や人員が限られています。そのため、すべてのWebセキュリティ対策を施策することができない場合もあります。

次に、自社のWebセキュリティの現状を把握しましょう。自社の情報システムの現状はどうなっているのか、そして現在、どこまで対策できているのかを把握しなければなりません。そこを理解すると、中堅・中小企業において、守るべき対象を脅威から守るための施策方法を見出せます。そして、自社のWebセキュリティ対策の状況を把握するのに便利なツールが、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が提供している「5分でできる!情報セキュリティ自社診断シート」。これは、簡単な問いに回答していくだけで、自社のWebセキュリティ対策の現状や問題点などを見つけてくれるツールです。

今すぐWebセキュリティ環境を診断する

Webセキュリティ対策の具体的な施策方法とは?

中堅・中小企業向けの対策として、まず紹介するのが「セキュリティプラットフォーム」の導入です。セキュリティプラットフォームとは、1つシステムで攻撃からの脅威に対抗する各種機能を一元管理できるプラットフォームのこと。導入すると、下記の内容が1つの管理画面で統合管理できるためおすすめです。

  • ファイル操作制御
  • アプリケーション制御
  • ハードディスク/ストレージ制御
  • ネットワーク制御
  • 盗難紛失対策
  • セキュリティ対策(アンチウイルスやファイアウォール)
  • 標的型攻撃対策
  • ランサムウェア対策

また「常時SSLの導入」も、中堅・中小企業向けのセキュリティ対策の1つ。さらに、中堅・中小企業は、Webサイトにかかる費用を少しでも安くするため、「お問い合わせフォーム」などの一部のページのみを共有SSLにしていることが多いです。ちなみに、会社独自のドメインに対してSSLを導入し、全ページを暗号化して保護する常時SSLを導入すれば、サイトの全ページが悪意のある第3者からの攻撃から守ることができます。しかし、これらの導入には、当然費用がかかります。

とはいえ、コロナ禍において中堅・中小企業が、前述したような内容で費用をかけることは抵抗があることでしょう。そこで、「サイバーセキュリティ対策助成金」を活用する方法があります。例えば、東京都と東京都中小企業振興公社が、都内にある中堅・中小企業を対象に、企業がWebセキュリティ対策を実施するために必要な設備等の導入経費の一部を助成してくれます。こうしたWebセキュリティ対策に対する助成を行っている県・市町村は数多く存在するため、探してみてはいかがでしょうか。

サイバーセキュリティ対策促進助成金について、詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

 

あとがき

今回は、中堅・中小企業のWebセキュリティ対策は何から取り組むべきなのか?というテーマで解説してきました。現代社会において、中堅・中小企業でもWebセキュリティ対策は重要です。Webセキュリティ対策が不十分だったことで、悪意のある第3者からの攻撃により直接的な被害を被る危険性があります。また、間接的な被害を受けたことで信用を失い、金銭的にも大損失に繋がる可能性があるため注意しなければなりません。

Webセキュリティ対策には、莫大な費用がかかることはありますが、損失のことを考えれば、早急に施策しておくべきでしょう。本記事が、何からWebセキュリティ対策に取り組めばよいのか分からない、中堅・中小企業の担当者様の参考になれば幸いです。

 

ちなみに、当社で提供するCloudbric WAF+は、Webサイトを守るための5つの対策を、統合したプラットフォームにて提供しております。
コストパフォーマンスと高度なセキュリティを両立できるWebセキュリティ対策をお探しの企業様にとって、最善の選択肢であると思いますので、ぜひチェックしてみてください。

Cloudbric WAF+の詳細はこちら

Cloudbric WAF+

 

 

 

クラウドサーバ-IaaS

IaaSとは?おすすめのクラウド・サーバ・プロバイダーを比較解説!

情報システムの稼動に必要なコンピュータや通信回線などのインフラを、インターネットを使って遠隔から利用できるクラウドサービスといえば「IaaS(Infrastructure-as-a-Service)」です。IaaSサービスは、必要なコンピューティングやストレージ、ネットワークなどのリソースを必要なときに利用できるため、企業でも導入を検討するケースがみられます。しかし、IaaSは他のクラウドサービスよりも自由度が高い分、IaaSサービスを提供するクラウド・サーバ・プロバイダー選びに迷っている企業もあることでしょう。

本記事では、おすすめのクラウド・サーバ・プロバイダーを比較解説しています。ぜひ、クラウド・サーバ・プロバイダーを選ぶ際の参考にしてください。

 

おすすめのクラウド・サーバ・プロバイダーの一覧!

おすすめのクラウド・サーバ・プロバイダー5社を、インターネット情報や口コミなどから、下記4つのポイントで比較しました。

  • コストパフォーマンス
  • ユーザーインターフェース
  • ネットワーク
  • セキュリティ

また、下表は各IaaSプロバイダーのおすすめ度を「☆~☆☆☆」で比較しながら評価しています。

名称 コストパフォーマンス ユーザーインターフェース ネットワーク セキュリティ
Linodeクラウド・サーバサービス ☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
Google Compute Engine ☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆
Vultr ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆
アマゾンAWS ☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆
DigitalOcean ☆☆☆ ☆☆☆

セキュリティに関してはどのIaaSサービスもおすすめできますが、その他の前述したポイントではサービスによって特徴が異なります。そのため、どのような特徴を重視するか、よく検討して選びましょう。

 

IaaSプロバイダーがクラウド・サーバで稼働する仕組みとは?

ここでは、IaaSプロバイダーがクラウド・サーバで稼働する仕組みについて解説しています。まずは、IaaSプロバイダーについて、詳しくみていきましょう。

IaaSプロバイダーとは?

IaaSとは仮想化技術を利用してハードウェアリソース(CPU/メモリ/ストレージ)などのITインフラをインターネット経由でオンデマンドで提供するサービスの総称のことです。IaaSはクラウド上で稼働する仕組みを構築するという特性から、IaaSプロバイダーの活用は必須です。

クラウド・サーバで稼働するIaaSの仕組み!

インターネットを通じて、オンライン上に設置されたサーバのことを「クラウド・サーバ」と呼びます。通常のサーバはパソコン自体の容量で保存・保管できるデータの容量が左右されてしまいます。しかし、必要なときに必要なデータをインターネットを活用して管理できるクラウド・サーバなら、データの保存・保管の容量を気にせず利用できるでしょう。また、クラウド・サーバなら、保管してあるデータを他のデバイスで共有できたり、外出先でもデータの確認や編集・修正が可能です。

そんなクラウドサービスは、アルファベット1文字+aaSを組み合わせた用語で用途別に分類されています。なかでも、IaaSはクラウドサービスのなかの1つで、主にサービスとしてのインフラを担います。

 

比較!おすすめのクラウド・サーバ・プロバイダー5選

ここでは、おすすめのクラウド・サーバ・プロバイダーを厳選して紹介しています。今回比較するクラウド・サーバ・プロバイダーは、下記の5つです。

  • Linode
  • GoogleCompute Engine
  • Vultr
  • アマゾンAWS
  • DigitalOcean

Linode|クラウドインフラをよりシンプルに

Linodeは、世界最大の独立系オープンクラウドプロバイダーでのLinodeが提供するサービスです。料金がリーズナブルなことに加えて、料金体系は従量課金制です。必要なときに必要な分だけ利用して支払えばよいため、パフォーマンスの最適化ともにコスト削減を実現できます。さらに、日本では、Linodeの公式ソリューションパートナーであるクラウドブリックによる日本のお客様向け最適化されたプランと手厚いサポート体制を提供していることも大きなメリットとなります。

名称 Linodeクラウド・サーバ・サービス
料金
  • エコノミー(~5Mbps):28,000円
  • ビジネス(~50Mbps):110,000円
  • ハイパフォーマンス(~1Gbps): 180,000円
提供元 Linode
公式URL https://www.linode.com/ja/

GoogleCompute Engine|業務滞りなく進行できる

Google Compute Engine(GCE)は、Googleが提供するクラウドサービスです。ライブマイグレーションの提供により、コンピューターで作動している仮想マシンを、稼働中のソフトウェアを実行させたまま別のコンピューターに移動処理が可能。また、バックグラウンドで透過的にデータを移行できるため、作業環境をスムーズにしたい企業におすすめです。

名称 Google Compute Engine(GCE)
料金 使用状況によって変動
提供元 Google
公式URL https://cloud.google.com/compute?hl=ja

Vultr|ローカルで開発しグローバルに展開

先進的なクラウドプラットフォームを提供しているVultr。世界各地に17箇所のデータセンターを戦略的に配置し、すべてを秒単位で展開可能な標準化された高可用性かつ高性能なクラウドサービスをすべてのサービス対象に提供しています。

名称 Cloud Compute (クラウド コンピューティング)
料金
  • ~280円/月: (メモリ:512MB、CPU:1コア、SSD:20GB)
  • ~561円/月: (メモリ:1GB、CPU:1コア、SSD:25GB)
  • ~1,122円/月: (メモリ:2GB、CPU:1コア、SSD:40GB)
  • ~2,245円/月: (メモリ:4GB、CPU:2コア、SSD:60GB)
  • ~4,491円/月: (メモリ:8GB、CPU:4コア、SSD:100GB)
提供元 VULTR
公式URL https://www.vultr.com/

アマゾンAWS|効率的にビジネスに活用できる

アマゾンAWSは、Amazonが提供している、世界各国のデータセンターから175以上のフル機能のサービスを世界に展開しているクラウドコンピューティングシステムです。コストやセキュリティ、機能・パフォーマンスなどさまざまな面で優れているのが特徴。さまざまな企業や政府機関に導入されており、コストの削減、俊敏性の向上、イノベーションの加速を実現させています。使用した分の料金のみで利用できる従量制料金を採用している点もおすすめするポイントです。

名称 Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)
料金 従量制料金
提供元 Amazon.com
公式URL https://aws.amazon.com/jp/

DigitalOcean|高スペックなクラウド・サーバ

海外最大手VPSのDigitalOcean。利用可能なメモリ量・CPUは上限が他に比べて高いため、高スペックなサーバが必要な企業におすすめです。海外にしかデータセンターがないことや、インターフェースが英語で日本語非対応といったところはマイナスポイント。しかし、仮想サーバを55秒で起動でき、料金はすべて時間単位の課金であるなど、魅力的なところもみられます。

名称 DigitalOcean
料金 従量制料金
提供元 DigitalOcean
公式URL https://www.digitalocean.com/

今回は、IaaSをテーマに、おすすめのクラウド・サーバ・プロバイダーを比較解説してきました。クラウド・サーバは企業のニーズに柔軟に答えてくれる利便性の高いサービスです。しかし、クラウド・サーバにはいくつか種類が存在し、IaaSにも取り扱い時の専門知識やスキルが要求されるというデメリットもあります。そのため、自社に合ったサービスを選ぶためには、クラウド・サーバに関する正しい知識を身につけなければなりません。それぞれのサービスの特徴を理解して、自社にマッチしたクラウド・サーバ・プロバイダーを選びましょう。

 

Linodeの詳細はこちら

https://www.cloudbric.jp/linode-vps/

ランサムDDoS

ランサムDDoS攻撃の脅威とは?最適な対応策について解説!

インターネットを活用したビジネスには、常にサイバー犯罪者から攻撃を受けるリスクが伴います。そして近年、サイバー犯罪者の手口として増加傾向がみられるランサム(身代金)型の犯罪。「ランサムDDoS攻撃」もそのようなランサム型の1つで、DDoS攻撃による脅迫は世界中で拡大しています。そのため、サイバー犯罪者からの攻撃の備えとして、ランサムDDoS攻撃の手口や対策方法は知っておかなければなりません。

本記事では、ランサムDDoS攻撃の脅威に関する内容や対策方法について解説しています。

 

ランサムDDoS攻撃の脅威とは?2つのポイントで知る!

そもそもDDoS攻撃やランサムDDoS攻撃(ランサム型のDDoS攻撃)とは、どういったサイバー攻撃なのでしょうか。ここでは、攻撃の特徴や手口について解説したいと思います。

DDoS攻撃の特徴

DDoS攻撃の「DDoS:Distributed Denial of Service」は、和訳すると「分散型サービス妨害」という意味です。そして、サイバー犯罪者による攻撃の1つに、Webサイトやサーバーに対し過剰にデータ送信したりアクセスしたりする手法が存在します。

なかでも、特定のネットワークやWebサービスを意図的に利用できないようにする手法のサイバー攻撃のことを「DoS攻撃(Denial of Service attack/サービス拒否攻撃)」と呼びます。そんなDoS攻撃の特徴は、サイバー犯罪者が1台のコンピューターから行ってくる攻撃。しかし、複数台のコンピューターを使用して同時にWebサイトやサーバーにDoS攻撃をしてくる手法も存在し、これをDDoS攻撃と呼びます。

DDoS攻撃の脅威

DDoS攻撃では、複数台のコンピューターから一斉にアクセスやデータ送信をしてくるため、送られてくるデータの情報量は膨大。そのため、Webサイトやサーバーに多大な負荷をかけられてしまい、ネットワーク遅延の発生やWebサイトにアクセスができないといったトラブルが発生してしまいます。

また、サイバー犯罪者が他人のコンピューターを乗っ取って攻撃に利用した手法もDDoS攻撃に由来。ちなみに、このサイバー犯罪者に乗っ取られて攻撃に悪用されたコンビューターのことを「踏み台」と呼びます。

しかし、実際には無関係の「踏み台」が攻撃に使われることから、DDoS攻撃はDoS攻撃と比べて、サイバー犯罪者の割り出しが難しいといわれています。

ランサムDDoS攻撃の手口

ランサムDDoS攻撃の「ランサム(Ransom)」は、和訳すると「身代金」で、つまり、ランサムDDoS攻撃とは、攻撃対象者のコンピューターやWebサイト・サーバーを人質に取り、サイバー犯罪者が身代金を要求する攻撃のことです。ランサム型攻撃でサイバー攻撃者が要求してくる身代金は、リアルマネー(現金)ではなく、仮想通貨での取引が多いことも特徴の1つです。

ランサム型攻撃といえばネットワークなどを通じて感染を広げるマルウェア(悪意を持ったソフトウェア)である「ランサムウェア」をご存じの方もいることでしょう。以前は、コンピューターに感染させ、保存されているファイルの暗号化や機密情報の公開などで脅し、身代金を要求する「ランサムウェア攻撃」が一般的な手口でした。しかし近年は、DDoS攻撃やDoS攻撃によるランサム型攻撃が増加しています。

その手口としては、サイバー犯罪者がDDoS攻撃で特定のネットワークやWebサービスを意図的に利用できないようにした後、攻撃対象者に身代金を要求することが一般的です。そして、その支払いに応じないと、攻撃を継続すると脅すことです。

 

ランサムDDoS攻撃の事例

2017年からその存在が警戒されているランサムDDoS攻撃ですが、それ以前にもDDoS攻撃の事例がいくつか存在しています。例えば、2012年11月にイスラエル政府関連のWebサイトやイスラエルの銀行など、約600のサイトがダウンするトラブルが発生した事例があります。これは、イスラエル軍によるパレスチナ自治区であるガザ地区への空爆に対する抗議のために、国際的ハッカー集団「アノニマス」が行ったDDoS攻撃だということが判明しています。

 また、日本でも企業がDDoS攻撃を受ける件数が増えており、2018年には株式会社スクウェア・エニックスの人気オンラインゲームが、DDoS攻撃によってゲーム通信が切断されたり、ログインができなかったりする被害を受けています。 

 

ランサムDDoS攻撃から守る3つの対策方法を紹介!

実際にランサムDDoS攻撃を受けた際の対応やランサムDDoS攻撃からWebサイトやサーバーを守るための対策には、どのような方法があるのでしょうか。ランサムDDoS攻撃から守る3つの対策方法には、下記の3つが挙げられます。

  • 身代金を払わないこと
  • WAFの導入
  • Cloudbric ADDoSの導入

対策① 身代金を払わないこと

ランサムDDoS攻撃だけでなく、すべてのランサム型攻撃で身代金を要求されても絶対に支払ってはいけません。そもそも、支払っても攻撃が止まる保証はありません。支払っても攻撃が継続され、さらに金額を上げて身代金が要求される可能性があります。

また、運よく攻撃が止まっても、身代金を支払った企業という情報が犯罪者間で共有され、別のサイバー犯罪者から攻撃されるかもしれません。支払った身代金がサイバー犯罪者の利益となり、それを使って別の企業などへのランサムDDoS攻撃に繋がってしまう可能性もあります。

そのため、身代金の支払いに応じることは前提として覚えておきましょう。

対策② WAFの導入

ランサムDDoS攻撃の対策として有効な手法が、「WAF」の導入です。WAFとは「Web Application Firewall」の略で、簡単に説明すると外部ネットワークからの不正アクセスを防ぎ、Webアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃からアプリケーションを守る保護するセキュリティ対策です。WAFの中でもハードウェア型WAF、ソフトウェア型WAF、クラウド型WAFがありますが、近年となっては、DNS情報変更だけで簡単導入できるクラウド型WAFが主流となっています。

WAFを導入することで、下記の対策ができます。

  • 脆弱性を悪用した攻撃からWebアプリケーションを防御
  • 複数のWebアプリケーションへの攻撃をまとめて防御
  • 脆弱性を悪用した攻撃の検出

WAFを導入しておけば、サイバー犯罪者がDDoS攻撃のためにアクセスを繰り返してきた場合に、それを不正アクセスだと検知して遮断してくれます。

Cloudbric WAF+を導入すると、ネットワークレベルのL3/L4 DDoS攻撃とアプリケーションレベルのL7 DDoSに対応できます。大規模DDoS攻撃への備えとしてはCloudbric ADDoSがお薦めです。全世界50以上のエッジロケーションを活用して、65テラバイト(Tbps)規模の攻撃まで防御できます。これからDDoS対策を導入しようとする企業は、WAFなどを検討してみてください。

 

最後に

今回は、ランサムDDoS攻撃の特徴や仕組み、その対策方法について解説してきました。年々多様化しているサイバー攻撃。すべてのサイバー攻撃への対策をするのは難しいといわれていますが、ランサムDDoS攻撃のようなサイバー攻撃への対策はやっておくべきです。

特に、ランサムDDoS攻撃の対策として特におすすめの方法は、今回紹介した「Cloudbric ADDoS」の導入です。「Cloudbric ADDoS」なら、リーズナブルな料金で高度のWebセキュリティ対策を利用できることができます。

 

「Cloudbric ADDoS」の料金、サポート内容を詳しく知りたいという方は、こちらをご覧ください。

Cloudbric ADDoS

SQL Injection攻撃

SQL Injectionとは?脆弱性に対する3つの対策について解説!

WebサイトやWebアプリケーションのセキュリティに対する脅威の1つに「SQL Injection」という攻撃手法が存在します。ペンタセキュリティが公開した2021年第1四半期のWeb脆弱性レポートによると、1位はXSS(Cross Site Scripting)で44%、続いてSQL Injectionが26%で2位を占めています。WebサイトやECサイトの運営をしているのであれば、個人情報の漏洩やサイトの改ざん阻止のために「SQL Injection(SQL インジェクション)」についてよく理解しておかなければなりません。本記事では、「SQL Injection」による攻撃のセキュリティ対策のポイントについて解説しています。また、後半では「SQL Injection」の実例も紹介しています。

 

SQL Injectionとは?

Webのデータはすべてデータベース(DB)に格納されています。そもそも、SQLとは「Structured Query Language」の略で、データベース上で下記の操作を行うために使用される言語のことをいいます。

  • データの追加
  • データの更新
  • データの削除
  • データの検索
  • テーブルの作成
  • テーブルの削除
  • テーブルの主キーの設定
  • ユーザ権限の付与

SQLはプログラミング言語ではなく、データベースを操作するためのデータベース言語です。そして、「Injection」は、「注入」と訳せます。つまり、「SQL Injection」とは、不正なSQLをWebサイトに送り、そのサイトを改ざんしたり、情報を漏洩させたりする悪質なサイト攻撃のことを意味します。また、攻撃そのものだけでなく、その攻撃を許してしまう情報セキュリティの脆弱性のことも指します。

「SQL Injection」による攻撃を具体的に説明しますが、通常、WebサイトでユーザIDやパスワードを入力すると不正な文字列が入力されていないか入力エリアのチェックが行われます。しかし、脆弱性があるWebサイトの場合、悪意のある攻撃者が下記のような「SQL文を含む文字列」を入力すると、サイトにログインできてしまったり、ユーザ全員のメールアドレスなどのデータが取得できてしまったりします。

$name = ‘\’ OR 1 = 1;
OR ‘A’ = A
1 or ‘1’ = ‘1’;

 

SQL Injectionが悪用される理由とは?

一般的に、WebサイトのユーザID・パスワード入力では文字列しか入力しません。しかし、脆弱性があるWebサイトの場合、上記のようなSQL文を含む文字列を命令文として認識させることができるのです。そのため、データベースが自由に操作されてしまいます。そして、悪意のある攻撃者がSQL Injectionを悪用する理由は、データベースで個人情報を閲覧したり盗み出したり、データベースの変更・消去といった悪質な行為を行うためです。

 それでは、実際に社員データを出力するプログラムをもとに、SQL Injectionを実践してみましょう。

例えば、下記のようなテーブルがあったとします。

id name mail created
1 一郎 ichirou@example.com 2021-06-05 00:00:00
2 二郎 jirou@example.com 2021-06-05 00:00:00
3 三郎 saburou@example.com 2021-06-05 00:00:00

そして、下記のようなSQL文がプログラム内に書かれていたとします。

$id = $_POST[‘id’];
$sql = ‘SELECT id, name, mail, created FROM employee WHERE id = ‘.$id;

このSQL文は、POSTされたidの値を元にして社員のデータをすべて表示するプログラムです。

例えば、id=1をPOSTすると、下記のデータが出力されます。

id name mail created
1 一郎 ichirou@example.com 2021-06-05 00:00:00

しかし、POSTされたidに、下記のような値が含まれていた場合は、どのようになるのでしょうか。

1 OR 1 = 1

SQL文は、

$sql = ‘SELECT id, name, mail, created FROM employee WHERE id = 1 OR 1 = 1’;

と同様のものが実行されてしまいます。そして、このSQL文を実行すると、下のように他の社員の情報まで出力されてしまいます。これを悪用すれば、「SQL Injection」で個人情報を閲覧できます。

id name mail created
1 一郎 ichirou@example.com 2021-06-05 00:00:00
2 二郎 jirou@example.com 2021-06-05 00:00:00
3 三郎 saburou@example.com 2021-06-05 00:00:00

 

SQL Injection攻撃の脆弱性を2つのポイントで解説!

WebサイトがSQL Injectionによる攻撃を受ける場合、その目的として多いケースが「Webサイトの改ざん」と「個人情報の漏えい」の2つです。

Webサイトの改ざん

脆弱性のあるWebサイトにSQL Injectionを用いることで、そのコンテンツから接続するデータベースに、管理者・開発者の意図しないプログラムを書き込み、改ざんすることが可能です。SQL Injectionによって、Webサイト上に表示されるテキストが改ざんされたり、挿入した覚えのない画像が表示されてしまうなど、コンテンツが不正に変更されるケースも少なくありません。また、被害だけでなく、改ざんしたWebサイトを閲覧したユーザが、マルウェアなどの不正なプログラムに感染する被害が継続的に発生しています。Webサイト改ざんによる被害はそれだけではなく、不正改ざんによってGoogleに危険なサイトと判断されてしまえば、検索順位が大きく下がってしまったり検索結果からの除外されてしまったりする可能性があります。

個人情報の漏洩

SQL Injectionで、データベース内のユーザIDやパスワード・クレジットカードの番号などの重要な個人情報を抜き取ることも可能です。2011年にSONYのゲーム用のサービス「PlayStation Network」を利用しているユーザ情報が漏洩したことがありますが、「SQL Injection」攻撃によることが原因でした。抜き取られた情報のなかには、「会員の氏名」、「住所」、「メールアドレス」、「生年月日」、「会員ID」、「パスワード」などが含まれていたといわれています。

 

必須!SQL Injection攻撃を防止する3つの対策とは?

SQL InjectionによるWebサイト攻撃は、しっかりと対策をすれば防止できます。今回紹介する対策方法は、下記の3つです。

対策① WAFの導入

SQL Injectionを悪用した攻撃への対策の1つに、WAFの導入が挙げられます。WAFとは「Web Application Firewall」の略で、分かりやすくいえばファイアウォールの1種。その特徴は、直接管理・改修することができないWebアプリケーションを攻撃から守ってくれます。導入すれば、Webアプリケーションを用いたネットショッピングやゲーム、インターネットバンキングなどのWebサービスが保護できます

対策② 脆弱性診断によるチェック

Webサイトの脆弱性は、自分ではなかなか判断できません。そのため、セキュリティ診断サービス・脆弱性診断サービスなどを活用して、Webサイトやクラウドサービス上でさまざまなサービス提供を実現するWebアプリケーションの脆弱性の有無をチェックする必要性があります。ちなみに、脆弱性診断サービスには有償のものと無償のものがあります。無償だと費用をかけずに脆弱性診断ができますが、ある程度の知識が必要となります。

そもそも、脆弱性があるとSQL InjectionによるWebサイト攻撃は防止できないため、費用がかかっても脆弱性診断をしておくことはおすすめです。

対策③ エスケープ処理

エスケープ処理は、SQL Injection攻撃における対策の基本です。そもそもエスケープ処理とは、プログラム中で使用する特殊な記号を意味の繋がらない文字として扱う処理のことです。プログラム言語は、記号に特殊な意味を持っていることが多く、そのプログラム言語の特殊性が悪用されてSQL Injection攻撃を受けます。

エスケープ処理をしておけば、WebサイトがSQL Injectionによる攻撃を受けても、入力した言語がプログラム言語ではなく意味を持たない言語として認識されため、被害を防ぐことができます。

 

SQL Injectionにおける対策方法の実例

今回は、SQL Injectionによるデータベースへの問い合わせを実行するプログラムの実例です。プログラム内に脆弱性があり、そこからSQL Injection攻撃を受けますが、その対策方法についても実例で紹介しています。それでは、ユーザ名ごとに情報が分けられているデータベースから、指定したユーザ名に一致する情報を指定する下記のSQL Injectionを例に解説していきます。

SELECT * FROM items WHERE owner = <userName> AND itemname = <itemName>;

対象とするプログラムはこちら。「C#」でのコードを例にしています。

string NameA = ctx.getAuthenticatedUserName();
string valueA = “SELECT * FROM items WHERE owner = ‘” + NameA + “‘ AND toolname = ‘” + ItemName.Text + “‘”;
nsda = new SqlDataAdapter(query, conn);
DTd = new DataTable();
nsda.Fill(dt);


SQLで「USER」の情報を出力。しかし、下記コードには脆弱性がみられます。 

ここに「OR ‘z’=’z’」を追加することで、WHEREを常に真にして、正しいユーザIDとパスワードを入力することなく、データベースにアクセスが可能になります。

 SELECT * FROM items WHERE owner = ‘USER’ AND toolname = ‘name’ OR ‘z’=’z’;

また、「OR ‘z’=’z’」はtoolnameの値に関係なく、検索条件が真として成立してしまい、toolnameが常に返ってきます。そのため、ログインを許可されていないユーザでもログイン可能な状態になってしまいます。

これにより、USERの情報だけではなく、itemsテーブルに格納されているすべてのデータを操作が可能。結果として、下記のSQLと同じ処理が行われます。

SELECT * FROM items;

ちなみに、SQLでは、ユーザIDとパスワードの組み合わせは、次のような形でチェックされます。

SELECT*FROM tableA
WHERE user=’USER′ and pass=’PASSWORD′;

しかし、C#の例と同様に「’or’1’=’1」を使うことでユーザ認証を回避できます。

 WHERE user=’USER′ and pass=”PASSWORD”or’1’=’1′;

同じように、以下のようなSQL文を使うことでデータの消去も可能です。

 name’; DELETE FROM items; SELECT * FROM items WHERE ‘a’=’a

 

さいごに

今回は、「SQL Injection」の危険性とその対策方法について解説してきました。脆弱性のあるWebサイト「SQL Injection」による攻撃を受ける可能性が高く、被害にあった場合はコンテンツやユーザの重要な情報を守ることはできません。悪質な攻撃者による「SQL Injection」での攻撃は、現在も頻発しています。ユーザ情報を扱うWebサイトを運営するのであれば、必ずその対策はしておきましょう。

 

SQL Injection攻撃からWebサイトを守る方法! クラウド型WAFサービス「Cloudbric WAF+」

Cloudbric WAF+

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3大クラウドAWS・Azure・GCPの特徴や違いについて比較

需要が高まっているクラウドサービスにはさまざまな種類があり、どのサービスを導入すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。本稿では、大手3大クラウドのAWS、Azure、GCPそれぞれの概要や特徴を解説しつつ、Linodeとの比較も行っています。クラウドサーバ選びの参考にしてみてください。

 

クラウドサービスとは

クラウドサービスとはクラウド上に作られたサーバで、インターネットを通じてITリソースを利用する仕組みです。物理的なサーバ購入し運用する場合に比べ、初期費用が無料であることが多く管理やメンテナンスの必要がありません。インタネットに接続できる環境であれば、いつでもどこからでもサーバにアクセスでき、データの共有も離れた場所から行えます。月額費用が固定ではなく従量課金制を採用しているところが多く、必要なときに使った分だけ利用ができるのが特徴です。代表的な大手クラウドサービスにはAWS(Amazon Web Service)、Azure(Microsoft Azure)、GCP(Google Cloud Platform)などがあります。

 

AWS(Amazon Web Service)

AWSはAmazon.com社が提供しているクラウドサービスです。2006年7月からと、早くからサービスの提供を開始しました。世界中で数百万人以上とクラウドサービスの中では最も多く利用されており、日本でもユーザは10万人を超えています。クラウドサービスを選択する際の基準となり、初めに検討する場合も多いでしょう。

特徴
歴史が長いため実績が多く、ユーザや利用事例が豊富で情報も出回っています。分からない点やこういうことはできないか、などは比較的簡単に情報を見つけることが可能です。また管理画面などを数クリック、数分で環境の構築ができ、ビジネス機会を逃さないタイムリーなシステム構築ができます。IaaSには豊富な種類があり、制限が少ないのも特徴です。インターフェースをデータセンターで統一しているため、海外展開の視察や契約の手間を省けます。セキュリティ・コンプライアンスの統制を実施しており、安全性が高く第三者監査による検証も行われています。インターフェースとAPIで多くの標準技術を持っており、ベースにアプリケーション開発が可能です。導入の初期費用は無料、従量課金制のため必要な分だけリソースを使うことができます。過去10年間で何度も値下げを実施し、コストダウンを図っています。

難易度
AWSは個人でも契約が可能で、クラウドを上手に活用できるよう支援の提供を行っています。書籍やセミナーなども豊富で、専門的な知識があまりない方でも始めやすいといえるでしょう。

 

Azure(Microsoft Azure)

AzureはWindowsを手掛けるMicrosoft社が提供するクラウドサービスです。Microsoft社製品との相性が良く、Windowsを使用している企業にとって使いやすいといえます。2010年にサービスを開始して以来、機能の追加やアップデートを行い200以上の機能を実装しています。

特徴
最大の特徴は、Windowsに対する親和性の高さです。Windows Serverを利用していた企業にとって、クラウドに移行しても容易に利用できるため、導入や移行をスムーズに行えます。Office365やActive Directoryのような、ツールとの連携もしやすいです。また好きなフレームワークやツールを使用し、アプリケーションをの構築、管理ができます。クラウド・エッジ・オンプレミス全てに対応し、ビルドの方法やデプロイ先を選びません。AWSと同じく初期費用は無料、従量課金制で費用は使用した分だけです。

難易度
利用者向けに支援の提供を行っていますが、AWSよりもユーザ数は少なく情報が豊富とはいえません。そのためある程度の専門的な知識を備えた経験者向けといえるでしょう。

 

GCP(Google Cloud Platform)

GCPはGoogleが提供するクラウドサービスです。GmailやYouTubeなど、確かな運用実績があります。Google社内で使用されている技術やインフラを利用でき、データ解析や機械学習系のサービスを用いて開発を行うことが可能です。

特徴
検索エンジンを運用するGoogleは、ビッグデータの解析が強く、高速処理の技術があるのが特徴です。GCPデータ解析の技術を利用できるため、データ分析を簡単に行えるインフラが備わっています。またGoogle Cloudサービスには豊富なサービスが掲載され、現在でも増加し続けています。急激なアクセス集中による高負荷にも耐えられるよう設計されており、すぐにトラフィックに対応可能です。

難易度
Googleのサービス利用経験がない方は少なく、同社サービスに慣れ親しんだ点では優位性があります。またトレーニングしやすい環境も整っており、初心者でも使いやすいといえるでしょう。

 

Linodeと3大クラウドを比較

機能 Linode AWS Azure  GCP
クラウドファイアウォール(無料)
DDoS対策(無料)
ベアメタルクラウドサーバー
マネージドKubernetes
ローカルSSD
ハイメモリVM
アプリマーケットプレイス
ヒューマンサポート(無料) X X X
ドキュメントライブラリ(100%以上)
シンプルなAPI・CLI・クラウドインターフェース X X X
フラットな価格設定(予測可能) X X X
無料バンドル転送 X X X
すべてのデータセンターで同価格 X X X
提供年数 18年 14年 11年 13年
データセンター地域 11 24 60 24
クラウド製品数 ~20 ~200 ~200 ~200
対象顧客
  • 開発者
  • スタートアップ
  • 中小企業
大企業 大企業 大企業

(出典:https://www.linode.com/ja/compare/

Linodeの提供開始はAWSよりも早く2003年からで、18年の長い歴史を持っています。データセンターの数は3大クラウドよりも少ないですが、対象となる顧客が開発者・スタートアップ・中小企業のため、大企業向けのデータセンター数より劣るのは普通でしょう。また価格設定もわかりやすく、必要な分だけ支払うことが可能です。スケールアップ、スケールダウンともに違約金も発生しません。料金が低いことでセキュリティ面の不安点が出ることもなく、信頼性・セキュリティ面ともに犠牲にせずに他社よりも低い価格設定を行っています。特定リージョンに対しての追加課金もなく、すべてのデータセンターで同一料金です。

 

クラウドサーバの導入はLinodeにお任せを

本稿では、3大クラウドの概要や特徴を解説しつつ、Linodeとの比較を行いました。Linodeは開発者・スタートアップ・中小企業を対象とした、クラウドサービスです。見やすく操作しやすいインターフェースを用いており、クラウドのコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングをほんの数秒で導入できます。CPU専用で2vCPU・4GB RAM・80GB SSDの場合、Linodeでは月30ドルと他社サービスより40ドル以上も低い価格で利用が可能です。Linodeはアメリカに本社がありグローバル事業の展開をしています。クラウド型セキュリティサービスを日本で展開するクラウドブリック株式会社がLinodeの日本公式パートナーであり、24時間365日のサポートもあるため、わからない点はすぐに聞いて解決できるでしょう。今ならLinodeへの新規登録で、100ドルのプレゼントを行っています。開発者やスタートアップ・中小企業でクラウドサーバの導入を検討している方は、Linodeをぜひチェックしてみてください。

https://www.cloudbric.jp/linode-vps/

不動産、賃貸情報サイトになぜWebセキュリティ対策が必要なのかについて

不動産、賃貸情報サイトになぜWebセキュリティ対策が必要なのかについて

不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSA)が発表した「2020不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果によると、不動産情報を調べる際に利用したものでは、スマートフォンの利用率が92%で2014年以来最高となっています。PC利用率も昨年より増加し約50%と増加傾向にあることから、不動産・賃貸情報サイトを運営する企業において、WAFのようなWebセキュリティ対策がますます重要となっています。しかし、不動産や賃貸物件の防犯対策はしっかりしていても、自社のWebサイトのセキュリティ対策をしていないケースも少なくありません。

Webサイトは、現代ビジネスにおいて必須のツールとして積極的に活用されていますが、現在多くのWebサイトがサイバー攻撃のターゲットとなっています。そんなサイバー攻撃から自社の不動産・賃貸情報サイトを守るためにも、WebサーバやWebサイトを保護してくれるWAFを導入するなど、Webセキュリティ対策は重要です。本記事では、動産・賃貸情報サイトでのWebセキュリティ対策をテーマに解説しています。ぜひ、最後までご覧ください

 

不動産・賃貸情報サイトの特徴とは?Webセキュリティ対策の重要性について考える

ここでは、不動産・賃貸情報サイトでのWebセキュリティ対策の重要性について解説しています。まずは、不動産・賃貸情報サイトの特徴から、詳しくみていきましょう。

不動産・賃貸情報サイトの特徴

近年、サイバー攻撃のターゲットとなるのは、大企業のWebサイトだけに留まりません。また、セキュリティ対策が不十分なWebサイトはターゲットにされやすく、不動産・賃貸情報サイトが標的となるケースも数多く報告されています。不動産関連の会社の営業は、不動産や賃貸物件を見つけたユーザからお問い合わせを頂くことから始まります。そのきっかけに、Webサイトを活用している企業もあることでしょう。不動産・賃貸情報サイトを利用するメリットには、「物件を探す人の利用率が高い」「物件情報を簡単に紹介できる」などが挙げられますが、実はサイバー攻撃から狙われやすい特徴もみられます。不動産・賃貸情報サイトは、下記のような特徴から金銭目的のサイバー攻撃を受ける可能性があります。

  • 入力フォームで個人情報を入力する
  • 高額な物件を取り扱っている
  • 不特定多数の方がWebサイトに訪問する
  • 個人たけでなく法人との取引がある

もし、不動産・賃貸情報サイトがサイバー攻撃を受けセキュリティ対策が不十分であった場合、顧客情報や取引相手の情報が漏洩してしまう危険性があるため注意しましょう。

Webセキュリティ対策の重要性

Webサイトへのサイバー攻撃は以前からありましたが、最近はシステムやアプリケーション脆弱性など、Webセキュリティの弱点を狙った攻撃が増えています。IPA(情報処理推進機構)が2021年1月に発表した「ソフトウェア等の脆弱性情報に関する届出状況」によると、2020年第4四半期 における脆弱性の届け出件数は303件。そのうち、Webサイトの脆弱性を狙われたことによる被害の届け出件数は、全体の約7割超を占めています。

また、最近のWebサイト制作には、Webアプリケーションが使用されているケースがみられますが、データ被害を受けた約5割がWebアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃に由来。そのため、不動産・賃貸情報サイトを狙った攻撃は、今後さらに増えることが予想されます。

Webサイトによる集客を継続するのであれば、システム上の脆弱性を常にチェックしておくだけでなく、いつ起こるか分からないWeb攻撃にた対し常にWebサイトを保護するWAFを導入するなど、セキュリティ対策も強固にしておくことが重要といえるでしょう。

 

不動産・賃貸情報サイトでWebセキュリティ対策が必要な理由とは

不動産・賃貸情報サイトでWebセキュリティ対策が必要な理由には、下記の3つが挙げられます。

  • 個人情報の漏洩リスクの防止
  • フィッシング詐欺対策
  • ITリテラシーを向上させるため

理由①|個人情報の漏洩リスクの防止

Webセキュリティ対策が不十分だと、不動産・賃貸情報サイトから個人情報が漏洩してしまう危険性があります。個人情報は、個人情報保護法において下記のように定義されています。個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる以下の情報のこととなります。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 特定の個人を識別できる内容
  • 個人識別符号が含まれる媒体

顧客や取引先の個人情報が漏洩した場合、相手から損害賠償を求められる可能性があります。そのようなリスクを防止するためも、Webセキュリティ対策が必要です。

理由②|フィッシング詐欺対策

不動産・賃貸情報サイトでメールでの「お問い合わせ」をしている場合は、フィッシング詐欺のリスクも発生します。フィッシング詐欺とは、送信者を詐称した電子メールを送りつけたり、偽の電子メールから偽のホームページに接続させたりするなどの方法のこと。つまり、クレジットカード番号やアカウント情報(ユーザID、パスワードなど)といった、重要な個人情報を盗み出す詐欺行為を指します。

自身が被害にあうだけでなく、顧客にWebサイトを詐称したフィッシングメールが送信されて被害にあう可能性もあります。本物の不動産・賃貸情報サイトとほとんど区別がつかない偽造サイトを作るなど、フィッシング詐欺は手口が巧妙になっています。そのため、フィッシング詐欺対策のためにも、Webセキュリティ対策はしっかりしておきましょう。

理由③|ITリテラシーを向上させるため

ITリテラシーとは、通信・ネットワーク・セキュリティなど、ITに紐付く要素を理解する能力や操作する能力という意味。IT業界では、インターネットの正しい使い方やインターネットを利用するうえでのモラルといった意味でも用いられています。

不動産業界でも、不動産・賃貸情報サイトのインターネットを利用したサービスを提供しているのであれば、モラルとしてITリテラシーの向上に努める必要があります。

 

不動産テックの導入が加速化!Webセキュリティの増強が不可欠

Webセキュリティ対策強化は、不動産テックの導入が加速化している業界内全体として必要なものとなっています。そもそも不動産テックとは、近年のITの発達や規制緩和の動きとともに、IT技術を不動産分野に応用した新しい技術・サービスが導入が増えたことで作られた造語のことで、「不動産」と「Technology(技術)」が掛け合わさってできた言葉です。不動産テックの先進国であるアメリカをはじめ、イギリスやインド、中国などのアジア諸国でも不動産テックを活用した事業やサービスが活発に行われています。しかし、日本の不動産テック化はそれらの国々より大幅に遅れています。

そんな日本では、遅れを取り戻す動きや新型コロナウイルス感染症の発生による影響から、不動産業界でも業務のオンライン化などのデジタル化が進み、現代では日本国内の不動産テック化が急加速しています。しかし、不動産テックの導入が進むほど、不動産・賃貸情報サイトがサイバー攻撃を受ける可能性も高まります。

他の業種に比べて不動産業界は特にIT化が遅れていたため、不動産・賃貸情報サイトのセキュリティ対策に疎かった企業も多いでしょう。しかし、不動産テックの導入は今後ますます加速することが予想されます。もしそうなれば、ITリテラシーが業界により一層求められるでしょう。また、高いレベルでの個人情報保護やWebセキュリティ対策が求められます。将来的にみても、不動産・賃貸情報サイトにおいてWebセキュリティ対策の重要性はますます高まることから、セキュリティ対策の強化は今からでも意識しておくことが大切です。

 

さいごに

今回は、不動産・賃貸情報サイトのWebセキュリティ対策が必要な理由について解説してきました。不動産・賃貸情報サイトは、もともとサイバー攻撃に狙われやすい特徴が揃っていますが、不動産テックの加速が予想される日本の不動産業界において、Webセキュリティ対策は必須です。Webセキュリティに関して、早めの対策を心掛けましょう。

 

Webセキュリティ・プラットフォーム・サービス

Cloudbric WAF+

クラウドサーバ

クラウドサーバーとは?共用・専用との違いやメリット・デメリットを解説

クラウドサーバはクラウド上に作られたサーバです。物理的にサーバを購入し運用する方法とは違い、利用したいと思ったときにすぐ利用できる、初期費用を抑えられるなどのメリットがあります。

本稿では、クラウドサーバについての基礎知識と専用サーバとの違い、利用するメリット・デメリットについてお伝えします。

 

クラウドサーバとは

クラウドサーバとはクラウド環境に作られたサーバで、インターネット上での使用を前提としたサービスを指します。リソースを所有および保持しているサードパーティのプロバイダーが、利用ベースの料金で使用できるようにするコンピューティングリソースです。ネットワーク環境があればどこでもサーバにアクセスでき、離れた場所からでもデータの共有が可能です。自社でサーバを保有しないため、導入の手間や初期費用を抑えられます。低価格で始められることから、急速に広まっています。クラウドサーバという用語は、IaaSまたはPaaSと密接に関連付けられる傾向がありますが、クラウドサーバはSaaSを実現するインフラも提供しているのです。

 

クラウドサービスの種類

クラウドサービスには、3種類あります。

SaaS

インターネットを経由して、アプリケーションなどのソフトウェアを提供するサービスです。利用するソフトウェアを都度パソコンにインストールする必要がなく、ID・パスワードがあればタブレットやパソコンなど端末を問わずにどこからでも利用できます。代表的な例はGoogle Appsなどです。データの保存・共有ができるDropboxも、Saasに分類される場合があります。

IaaS

インターネットを経由して、回線のようなITインフラ基盤を提供するサービスです。仮想サーバやストレージ、CPUメモリなどハードウェアの性能を自由に選択・利用できます。代表的な例はAWSなどです。

PaaS

インターネットを経由して、アプリケーション開発のための基盤を提供するサービスです。IaaSがインフラ基盤のみの提供であるのに対し、開発に必要なプラットフォームも利用できます。データベースやネットワークの設定が整っており、開発コストの削減が可能です。一般的にはあまり馴染みがないかもしれません。代表的な例は、Google App EngineやWindows Azureなどです。

 

共用サーバ・専用サーバとの違い

共用サーバや専用サーバとの違いについて解説します。

共用サーバ

共用サーバはサーバ提供事業者が所有する1つのサーバを、複数のユーザーで共有して使うレンタルサーバです。すでに存在するリソースを共有する仕組みのため、低コストかつ短期間で利用開始できます。サーバの管理事業者が管理やメンテナンスを行うため、自社でメンテナンスを行う必要がありません。同じ共有サーバ上でほかのユーザーのサーバにアクセスが集中すると、サーバが重くなり自社サービスにアクセスしにくくなるデメリットがあります。またサーバの設定は、基本的にカスタマイズできません。クラウドサーバでは、設定やスペックをアクセス数などに応じてカスタマイズできる点が異なります。

専用サーバ

専用サーバは、サーバ1台のリソースを占有して使用するレンタルサーバです。同じサーバをほかのユーザーが利用しないため、安定して高速なサイトを運営できます。管理者権限が付与されるため、自社のサイトに適したソフトウェアをインストールしたり自由に設定にカスタマイズしたりすることが可能です。共用サーバに比べ初期費用や月額料金が高く、高いランニングコストがかかるため導入しにくいデメリットがあります。さらに専用サーバでは自社でメンテナンスを行わなければならず、専門的な知識が必要です。サーバの管理を代行するサービスを提供している会社もあるため、経験が浅く不安な方は検討してみるのもいいでしょう。

 

クラウドサーバのメリット

クラウドサーバの利用は、共用サーバと専用サーバのメリットを両立できます。クラウドサーバのメリットを3つご紹介します。

初期費用を抑えられる

クラウドサーバの導入は初期費用が無料であることが多く、導入のためのコストを削減できるのがメリットです。自社でサーバを用意して運用する場合、高額なサーバの調達や通信回線を整えるなど、初期費用が高額です。さらに環境構築やサーバの設定にも、追加でコストがかかります。レンタルサーバの場合では初期費用はかかるものの、専用サーバのように数十万円を超えるようなことはありません。専用サーバ・レンタルサーバは双方とも少なからず初期費用が発生するため、初期費用を抑えたい方には、クラウドサーバがおすすめです。

運用コストを削減できる

クラウドサーバでは自社でメンテナンスを行う必要がないため、運用コストの削減が可能です。専用サーバの場合には管理者権限が付与されているため、管理やメンテナンスを自社で行う必要があります。専門的な知識がなければ難しい上に、見えない人的コストも発生します。クラウドサーバであればメンテナンスの心配がいらず、運用に注力できるのが利点です。

バックアップや復元対策になる

クラウドサーバはクラウド上にサーバが存在しているため、災害時などのリスクに備えることも可能です。自社でサーバを用意して運用する場合、データセンターへ被害があれば稼働できず業務が停止する可能性があります。クラウドサーバは複数のデータセンターに分散させているため、緊急事態に強いです。それぞれのデータセンターも停電対策や地震対策などが施されており、稼働停止になりにくいです。万が一データが消失した場合にも、バックアップを取っていれば容易に復元できます。災害時やデータ消失時の対策にも役立ちます。

 

クラウドサーバのデメリット

多くのメリットがあるクラウドサーバにも、デメリットは存在します。ランニングコストがかかる、セキュリティリスクがある点です。導入した後で「こんなはずではなかった」とならないよう、確認しておきましょう。

継続的な利用にはコストがかかる

クラウドサーバの料金体系は、月額制であることが多いです。小規模なものでは月数千円と安く済みますが、規模が大きくなると数十万円ほどの月額料金がかかる場合もあります。サーバ会社によっては、使用したリソースの量に応じて金額が変わる従量制を採用していることもあります。従量制には必要な分だけ利用できるメリットもあります。運用している間払い続けなければならない点は、デメリットといえるでしょう。

情報セキュリティに注意が必要

ネットワークを経由しアクセスすることから、情報漏洩のリスクがあります。そのためセキュリティ対策に力を入れているサーバ会社を選ぶようにしましょう。クライアント側のセキュリティも暗号化するなど対策が必要です。サーバ側・クライアント側双方のセキュリティがどのようになっているか、安全性をきちんと確認することをおすすめします。

 

Linodeの特徴

クラウドサーバのLinodeは11のデータセンターを構え、利用者数は80万人を超えています。料金体系は従量制を採用し、必要な分だけ使った量に応じて料金が決まるため、コストの削減にもつながるでしょう。共用プランの場合月2$から利用でき、リーズナブルな価格設定も選ばれている理由の一つです。料金設定が豊富にあるため、自社に合ったプランを選択できます。また11のすべてのデータセンターで24時間365日オンサイトセキュリティ診断を実施しており、セキュリティ対策も万全です。

 

今なら新規登録で$100プレゼント

クラウドサーバについて、共用・専用サーバとの違い、メリット、デメリットについてご紹介しました。初期費用を抑えられる、復元対策が可能など多くのメリットがあります。Linodeでは従量制の料金体系を採用し、料金は使った分だけとリーズナブルでさらにしっかりとしたセキュリティ対策を実施しています。期間限定でLinodeに新規登録すると、$100のクレジットをプレゼント中です。クラウドサーバの導入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

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クラウドサーバ

クラウドサービスの日本での利用実態と必要性

現在、クラウドサービスの市場は急速に成長していて、AWSやiCloud、Dropboxなどのサービスは企業での利用はもちろん、個人での利用においても年々増加傾向にあり、生活の上で当たり前の存在となってきています。今後ビジネスはもちろんのこと、個人のスマホやPCのデータの保存や、ゲームを初めとするエンターテイメントの世界においても、ローカルな環境ではなく、クラウド環境での作業と、データの保存がますます当たり前となってくることでしょう。今回はクラウドサービスの日本での利用実態や、なぜクラウドサービスが必要とされているのか、詳しく説明していきたいと思います。

 

クラウドサービスの利用率とは?

引用:企業におけるクラウドサービスの利用動向

総務省が令和2年に発表した、令和元年における「企業におけるクラウドサービスの利用動向」によると、一部でもクラウドサービスを利用している企業の割合は56.9%と全体の過半数を上回っており、前年の46.9%から10%も高くなっていることが分かります。コロナウイルスによるテレワーク化、巣篭もり需要の影響を考えると、来年の発表では利用率はより高くなっているであろうことは想像に難くありません。また、クラウドサービスに対する企業からの評判はとても高く、総務省の同データにおいてクラウドサービスの効果は「非常に効果があった」は30.9パーセント、ある程度効果があった」は54.3%と、全体の85%以上の企業がクラウドサービスを肯定的に捉え、歓迎しているようです。

利用している企業の規模が大企業に近いほどクラウドサービスは利用される傾向にあり、資本金が50億円以上であれば、過半数を超える52.8%の企業がクラウドサービスを使っています。中小企業においては資本金が一億円未満の企業の利用率は30%以下となっており、社員の人数が多いなどの理由から、あらゆる立場、環境下においても利便性の高いクラウドサービスの利用が必要となってくることが分かります。業界別に見た場合、金融・保険業がもっとも多くクラウドサービスを導入していて、それに次いで卸売・小売業、建設業、製造業が積極的に導入しています。

 

クラウドサービスの利用方法、導入利用は?

クラウドサービスの利用方法として、ファイルの保管や、データ共有を目的とした使い方が過半数を超えてもっとも多く、次にサーバー利用、電子メール、社内情報共有、データバックアップと続いていきます。クラウドサービスを導入した理由としては、「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」がもっとも高く、そのほかでは「どこでもサービスを利用できるから」、「安定運用・可用性が高くなるから」、「災害時のバックアップとして利用できるから」などの理由が挙げられています。基本的にはデータのバックアップ・共有を目的とした使い方が多いことになります。

逆にクラウドサービスを利用しない企業からは、使わない理由として「仕事に必要がないから」「情報漏洩などのセキュリティ面において不安がある」「クラウドを導入する際の自社の既存システムの改修コストが高い」「メリットが分からない、判断ができない」「ネットワークの安定性に不安がある」といった意見が挙げられています。
この導入利用をもとに、クラウドサービスを利用するメリット、必要性と不安面についてを、より掘り下げて見ていきましょう。

クラウドサービスは安価で利用することができる

企業がクラウドサービス最大のメリットは、「自社で保守・運営をおこなうよりも、安価で利用することができる」ことがまず挙げられます。クラウドサービスが一般的に普及するまでは、何かしらシステムを導入する場合、自社内にサーバールームを作り、システムを最新の状態に維持し、メンテナンスをおこなうことのできる専属のエンジニアを雇い、オンプレミス型の運営を構築していく必要がありました。このオンプレミス型の環境は当然サーバーの維持費も掛かりますし、正社員としてエンジニアを雇えば、運営費用も膨大な額となります。しかし、クラウドサーバーであれば社内のサーバーをいちから構築していく必要はまったくありません。専門の業者のサーバーをクラウド下で借りるだけなので、初期費用は圧倒的に安くなります。そして、クラウドサービスをおこなっているほぼすべての業者には専門のエンジニアが在中していて、メンテナンスも彼らに一任することができます。何か困ったことがあれば彼らにすべて任せればいいので、企業がみずから雇う必要はありません。

このように導入コストと運営コストを大きく軽減できるのが、クラウドサービスが普及した最大の理由となります。低コストで自前でシステムを用意する必要がないのなら、導入する際のハードルは非常に下がりますし、自社にとって効果がないと分かった場合、すぐにサービスの利用を辞めることができるため、非常に低リスクで利用することができます。コスト削減は中小企業から特に評価されている事柄であり、現在大企業と比べ中小企業のクラウドサービス導入率が低いことを鑑みると、今後ますます中小企業のクラウドサービス利用率の増加が高くなっていくと予想されます。

どこにいても利用することができる

 突然起きたコロナ禍の影響によって、多くの企業は仕事環境をテレワークへと変化せざるを得なくなりました。テレワークで仕事をおこなう際、困るのは社内と同等の環境で仕事をおこないにくいことにあります。このコロナ禍の状況にクラウドサービスは非常にマッチし、多くの企業がクラウドサービスを新たに導入する様になりました。

クラウドサービスを使えば社内のデータの共有だけではなく、遠隔操作でタブレットや低スペックのPCからでも社内環境と同等のスペックのPCとソフトウェアを扱うことができます。遠隔地でも仕事をおこなうことができることによって、本社のほかにいくつもの支部を持つ企業はオンプレミス環境よりも強い連携を作ることができ、場所や時間を選ばない様々な働き方ができる様になったため、育児や介護などを初めとする事情を抱えた人も仕事に参加しやすい環境を作ることができる様になりました。

クラウドサービスによる恩恵はデスクワークのみに留まらず、外出先からでも受発注の手続きをおこなうことができ、会議の資料の添付なども手軽にでき、だれかが資料に書き込めば、それをリアルタイムで共有することも可能となっています。

 

セキュリティ面での心配は?

 気軽にどこからでも情報にアクセスできる様になった反面、企業が一番に不安に感じるのは、セキュリティ面についてのことです。機密情報を狙うハッカー達の手口が年々巧妙化していて、現在多くの企業で情報漏洩の不祥事が起きていることを踏まえると、自社で情報を管理することのないクラウドサービスにデータやシステムをまるごと預けてしまうのは、確かに不安な面もあるでしょう。

しかし、実際にクラウドサービスを利用している企業の大部分が「役に立っている」と答えた結果を見ても分かる様に、クラウドサービスはセキュリティ面においても確かな結果を出しています。クラウドサービスを運営している会社にとって、情報漏洩のアクシデントはまさに会社の信頼に関わる命綱とも言える存在です。そのため最新のセキュリティ環境を維持することは当然、常駐しているスタッフも熟練のプロが担当しています。テレワークによる急な変化に対応するために、下手に自社でセキュリテイ環境を作り保守するエンジニアを雇うよりも、遥かに信頼できる環境を作ることができます。ただし、セキュリティの質は提供している会社によって異なりますので、くれぐれも契約する相手は慎重に選ぶ様にしましょう。

 

さいごに

日本のクラウドサービスの利用率は欧米に比べ低い傾向にありますが、今後ますます増えていく傾向であることは間違いありません。現在大企業の利用率が大きいですが、コスト面やセキュリティの質の高さを考えると、中小企業が利用した時の恩恵が高いため、今後中小企業を中心としてクラウドサービスの利用が増加していくと考えられます。

196ヵ国800,000ユーザに愛用されている最大の独立オープンクラウドプロバイダーのLinodeクラウドサーバ・サービスは、リーズナブルな料金体系と競争力の高いインフラを実現します。そして、クラウドブリックは「Linode」の日本公式パートナーとして、Linodeクラウドサーバーの利用を希望する日本のお客様に手厚いサポート及びコンサルティングなどを提供致します。
Linodeへ新規登録だけで$100のクレジットをプレゼントするキャンペーンも行っておりますので、是非チェックしてみてください。

Linodeクラウドサーバ・サービスの詳細はこちら

https://www.cloudbric.jp/linode-vps/

クラウドセキュリティリスク

オンプレミス環境とは違うクラウド環境に適切なセキュリティ対策とは? まずクラウド環境向けWAFを導入すべき


総務省調査の令和得元年通信利用動向の「クラウドサービス利用状況」からみると、国内企業の64.7%がクラウドサービスを利用していると答え、導入効果については「非常に効果があった」又は「ある程度効果があった」のような応答が8割を超えています。企業システムのクラウドシフトによって変化しつつあるIT環境に必要とされるセキュリティ対策にも変化があるはずです。そのため、クラウド中心に変化したIT環境に最も適切なセキュリティ対策は何かを把握することが、クラウド導入の前後を問わず解決すべき課題だと言えるでしょう。そこで今回は、従来のIT環境とは違うクラウド環境の特殊性を理解し、クラウド環境に適切なセキュリティとは何かをお伝えしたいと思います。

 

クラウド環境の特殊性を理解したセキュリティ

Accenture の調査によると企業のクラウド移行を妨げる障壁として「セキュリティ」が挙げられています。

 企業はクラウド導入の際、新たなIT環境がサイバー攻撃者の浸透経路にならないよう、クラウド環境に適切なセキュリティ対策に取る組む必要があります。そのためには、まず従来のIT環境とは違う「クラウド環境のみの特殊性」を理解しなければりません。

責任共有モデル

AWS、Azure等のCSP(Cloud Service Provider、クラウドサービス企業)は安全なクラウド環境のために、様々なセキュリティポリシーやサービスをビルトインさせました。

しかしそれだけでセキュリティが担保できるとは言い切れません。CSPの提供するセキュリティサービスはクラウドセンター自体を守ることに限定され、クラウドにて仮想的に結合された顧客のシステムやデータまで保護するものではありません。

AWSをはじめとしたCSPは、クラウドの情報セキュリティに関して一般的に「責任共有モデル」という考え方を採用しています。これは、CSPとユーザ(顧客)で責任範囲を明確にし、全体のセキュリティを担保しようという考え方です。こちらのイメージをご覧ください。


引用:AWS 責任共有モデル

こちらのイメージは、AWSの「責任共有モデル」を示した図であります。イメージの上半分はユーザ(顧客)が担う責任部分、下半分のオレンジ色の範囲はクラウド提供企業(AWS)が責任を負うクラウドのセキュリティ分担です。ネットワークやコンピューティングなどクラウドプラットフォームに対するセキュリティの責任はCSPにあり、クラウド内部のデータ、OS、トラフィックなどに対するセキュリティの責任は顧客にあります。

つまり、クラウドにて結合されたシステムやデータなどにおけるセキュリティの主導権はユーザ側にあるため、ユーザ自らセキュリティ対策を厳重に点検し、どのようなセキュリティ対策を導入するかを決定する義務があるとのことです。

仮想化と分散処理技術

クラウド環境もオンプレミス環境と同じくアプリケーション、システム、ネットワークレベルに分けられます。そして、クラウドといっても実は、クラウド環境にて使用されているデータは最終的に物理的サーバ上に保存されます。このように、クラウドの基本的な構造はオンプレミスと類似ていますが、「仮想化と分散処理技術」によってユーザビリティを高め、更に柔軟性の高い環境にてデータを活用できるというクラウドならではの特殊性もあります。

つまり、クラウド環境は従来のオンプレミス環境に仮想化・分散処理技術を加えたもので、セキュルティ対策もクラウド環境の特殊性に対応できる形態が求められます。WAF導入の例を挙げて

簡単に言いますと、「仮想化と分散処理」ができるWAFが、クラウド環境に最も適切なWAFであることです。
WAFの他にも、クラウド環境のために考慮すべきセキュリティ要素は多い、これらもまたクラウド環境のみの特殊性を理解してからセキュリティ対策構築に取り組む必要があります。

 

クラウド環境に必ず必要なクラウド型WAFサービス

それでは、クラウド導入の際に、どのような領域のセキュリティを優先すべきでしょうか。こちらはクラウドをアプリケーション、システム、ネットワーク3つのレベルで分類し、レベルごとにセキュルティ重要度のランクをつけた表です。

この表をみると、アプリケーションレベルは最も脆弱で、最も攻撃されやすい領域であることが分かります。そのため、アプリケーションレベルのセキュリティを最優先し、クラウド環境の基本的な安全性を確保しなければなりません。

情報セキュリティ専門企業ペンタセキュリティはクラウド環境の特殊性に対する理解を基にクラウドセキュリティを実現する「Cloudbric WAF+」を提供しております。

Cloudbric WAF + : 5つの必須セキュリティサービスをクラウド環境にて提供

安全なクラウドシフトのために、多くの企業がクラウド環境のセキュリティに投資していますが、セキュリティ担当者不在、コスト、クラウドに対する理解不足などによって対策に踏み切れない問題を抱えています。このようなセキュリティ課題を解決できる簡単かつ安全なセキュリティ対策がCloudbric WAF+です。

Cloudbric WAF + はクラウド型でWAFサービスを提供するSaaS型WAFサービスであります。該当サービスにはWAF機能のみならず、DDoS保護、SSL証明書、脅威IP遮断、悪性ボット遮断まで、必須的なセキュリティサービスを1つのクラウドプラットフォームにて統合し、ユーザのクラウドセキュリティをサポートします。特に全ての要素がクラウドにて起動するため、別途の設置や、メインテナンス過程の必要なく、簡単に利用できるというメリットがあります。

 

最後に

企業のクラウドシフトは、今までより拡大していくと見込められますが、セキュリティに対する十分な理解のないITシステムシフトは、サイバー攻撃者らの浸透を簡単に許すリスクを抱えています。クラウドセキュリティのリスクをカバーするためには、クラウド導入に先立ち従来のIT環境とは違うクラウド環境の特殊性への理解を基に、必要なセキュリティ要素は何かを把握することが最重要ポイントだと言えるでしょう。

Cloudbric WAF+

クラウド型WAF

企業における現在のWebセキュリティ問題と、クラウド型WAFによる対策

現在はクラウドサービスをはじめとしたWeb上のサービス・セキュリティの進化が目覚しく、多くの企業がそれらのサービスを利用しています。一方で、企業の機密情報を狙うハッカー達によるサイバー攻撃も同じように巧妙・複雑化し、セキュリティとのいたちごっこが続いていて、情報漏洩をはじめとする多くの被害が、企業の規模を問わず発生しています。

本記事では、2020年に起きたサイバー攻撃の傾向と、国内企業のWebセキュリティが脅かされた実際の事例を紹介し、その対策となるWebセキュリティ対策についても見ていきたいと思います。

 

2020年のサイバー攻撃の傾向

2020年上半期にはコロナウイルスの世界的な流行があり、ハッカー達はそれに便乗して、各国の政府や医療機関をはじめ、膨大な個人情報や機密情報を持つ企業などを標的にサイバー攻撃を行うケースが急増しました。不特定多数にばらまくスパムメールだけでなく、特定の企業を標的としたランサムウェアによる計画的な攻撃が急増し、より戦略的で高額の身代金を要求する事件が多発する結果となりました。

特定の法人企業を対象としたサイバー攻撃の特徴として「侵入経路の多様化」、「クラウド環境特有の脅威」、「侵入後の内部活動の常套化」の3つが挙げられます。メールによる攻撃はもちろん、テレワーク環境への移行に伴い、VPNによる通信の際、正規のユーザのアカウント情報を入手して本人になりすまして侵入したり、VPN装置の脆弱性を悪用する方法で攻撃がおこなわれたり、Zoomのインストーラーにバックドア型マルウェアとボットが含まれたものなどが確認されています。Zoom自体は正規の物を利用して正常に使用できるだけに、サイバー攻撃であることに気付くのが難しいという特徴を持っています。

以上のように、コロナ禍によるテレワーク環境の弱点をついた、「末端である従業員のモバイル端末を狙った攻撃」と、「クラウドサービスを狙った攻撃」が激化しているのが現在のサイバー攻撃の特徴だと言えるでしょう。

 

国内企業のWebセキュリティが脅かされた最新の事例

2020年はコロナ禍によってテレワークでの仕事が広く普及しましたが、それと同時に多くの企業が自社のセキュリティ面を見直し、強化していくことを余儀なくされました。現在の企業の機密情報を守るセキュリティは、自社内のみのクローズドな環境で完結するわけではなく、会社から離れた遠隔地からでも仕事をおこなえる、オープンな環境作りが必要となっています。しかし、テレワークで仕事を行うという試みは、日本ではまだまだ始まったばかりであり、末端の従業員のセキュリティに対する意識も含め、日本のセキュリティ対策はまだまだハッカーのサイバー攻撃に狙われやすい、多数の穴が空いている状態だといって良いでしょう。実際に2020年は数多くのサイバー攻撃が日本企業を襲い、多数の被害が出てしまう結果となりました。ここでそれぞれの被害の具体例を紹介していきますので、今後の為の参考にしてみましょう。

・電子決済サービスの不正利用

2020年もっとも被害が大きかったのは、電子決済サービスの不正利用です。2020年9月、銀行口座の情報を不正に入手した犯人がドコモ口座を開設しその銀行口座と連携し、被害者を装うことによって銀行からドコモ口座にお金を不正に出金するという、セキュリティの穴を突いた方法で多額のお金を騙し取った事件です。

最初にこの手口が露見したのはドコモ口座ですが、その後PayPay、Kyash、LINE Payにおいても同様の不正出金が確認されました。この事件による被害総額は2,800万円以上と言われています。

・ゲームメーカーの顧客情報流出

2020年11月には大手ゲームメーカーであるカプコンが「Ragnar Locker」と呼ばれるランサムウェアによってサイバー攻撃を受け、およそ35万件もの顧客情報が流出したとされています。

ハッカー達は盗んだデータを暗号化し使えなくさせ、データの復旧と引き換えに多額の金銭を要求し、さらには内部の機密情報をインターネット上で暴露するという脅迫でもお金を要求するという、「二重搾取型」の攻撃であった点がこの事件の特徴です。

コロナ禍によってオンラインゲームの需要が高まってる中、ゲームメーカーはサイバー攻撃に狙われた際のダメージが大きいと踏んで、カプコンがハッカー達の標的にされたと考えられています。

・特別定額給付金を装ったフィッシング詐欺

2020年5月に10万円の特別定額給付金が給付され始める中、自治体を装ったメール、ホームページによるフィッシング詐欺が大量に発生しました。

フィッシング詐欺によってアカウントIDやパスワードといった個人情報から、クレジットカードの番号や口座番号などの情報まで引出そうとしたり、ATMを用いて手数料を騙しとろうとするなど、悪質な手口での詐欺が横行することとなりました。

 

クラウド型WAFとは

現在、上記したサイバー攻撃に対するWebセキュリティ対策として、「クラウド型WAF」のサービスが注目されています。軽くクラウド型WAFの説明を行うと、まずはじめに「WAF(Web Application Firewall)」とは、Webサイト上のアプリケーションに特化したファイアウォールのことを指します。ユーザーからの入力を受け付けや、動的なページを生成したりするタイプのWebサイトを、不正な攻撃から守ることが WAFの役割となります。

通常のファイアウォールと違い、アプリケーションレベルでデータの中身を解析することができ、アプリケーションにセキュリティ上の問題があったとしても、それを無害化でき、ISMS(組織内の情報の機密性、完全性、可用性の3つすべてをバランスよく管理するための枠組み)の実現や、PCIDSS(クレジットカード情報保護を目的として定められた、情報セキュリティ基準のこと)に準拠しているため企業の情報戦略面としても需要が高く、注目されていました。

そして、クラウド型WAFとは、その名の通りクラウド上に設置するセキュリティ対策ツールとなります。現在ではWAFといえば、このクラウド型WAFが主流となっています。それでは何故現在クラウド型WAFに大きな需要があるのか、クラウド型WAFのメリットと、利用する上での注意点を交えて紹介していきましょう。

・クラウド型WAFのメリット

クラウド型WAFはクラウドサービスであるため、通常のWAFよりも安価で導入することが可能となっています。またサービス契約後日を待たずして利用できるため、トラブルに巻き込まれた際すぐに問題に対処することが可能になっています。

そしてクラウドサービスの特徴として、運用をベンダーに任せることができます。社内でセキュリティの専門家を直接雇用する必要がなく、メンテナンスも一任できるため、運用面でも大きくコストカットすることが可能となっています。

・クラウド型WAFを導入する際に注意すること

コスト面と利便性において大きなメリットを持つクラウド型WAFですが、導入する際に注意することがあります。まず先述したようにベンダー側に運営を一任できることがメリットのひとつと書きましたが、裏を返せば自社が運営に干渉することはほとんどできないため、サービスの質はすべて契約したベンダー次第ということになります。ベンダーに運営を一任する以上、トラブル発生の際すぐに対処できる専門家の人数や対応範囲など、そのサポートの質がどれくらいなのかが選定の際に重要となります。

またクラウド型であるため、自社のシステムに合わせたカスタマイズを行うことが非常に困難となります。そのため少しでも自社のシステムに沿った形のクラウド型WAFサービスを選んで、契約することが求められます。

他にクラウド型WAFはベンダーごとに料金形態が異なります。トラフィック量に合わせて料金が増減するものや、固定料金の場合もあるので、性能やサービスの質などと合わせて考慮しましょう。

 

さいごに

2020年以降、コロナ禍とクラウドサービスの増加による、セキュリティ環境の変化を突いたサイバー攻撃の特徴と、その対策となるクラウド型WAFのメリット・デメリットと注意点を見ていきました。

クラウド型WAFは安価で導入のしやすいことから、これからのセキュリティ対策として非常に利用されるようになるサービスですが、その特徴をきちんと踏まえた上で、自社に最適なベンダー選びを行うことが求められます。今回紹介した事例と特徴を踏まえて、より最適なセキュリティ環境を構築できたら幸いです。

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