サイバーセキュリティ関連の用語の中でも、「ハッキング」は最も一般的に知られている言葉のひとつです。しかし、改めて「ハッキングとは何か」と問われてみると、曖昧な答えしか返せない方も多いのではないでしょうか。本記事では、ハッキングとは何か、その定義や目的、被害事例、代表的な手口について解説するとともに、企業が取るべき基本的な対策について解説します。
ハッキングとは?
ハッキングは元々、ハードウェアやソフトウェアの解析や改造を意味するIT用語です。しかし、今では一般的に、ITシステムに対する不正アクセスや乗っ取り、破壊などのサイバー攻撃を意味するものとして認識されています。
・ハッキングとクラッキングの違い
ハッキングは本来、システムの解析や改造全般を示すニュートラルな言葉でした。そこで、合法的なハッキングと、違法なハッキングを区別するために使われるのが「クラッキング」という言葉です。同様に、合法的なハッカーと区別するために、違法なハッキングをする者を「クラッカー」、「ブラックハッカー」などと呼ぶこともあります。
とはいえ、現在は、ハッキングをクラッキングと同一視している人が大半です。本記事でもそうした実情を踏まえ、以下ではサイバー攻撃としての意味合いを込めて「ハッキング」について論じます。
ハッキングの目的
ハッカーがハッキングをする主な目的は以下の通りです。
- 金銭目的
- 産業スパイ
- 個人的な動機
- 政治的な主張(ハクティビズム)
最も多いのは金銭目的での個人的犯行ですが、産業スパイのように組織ぐるみでハッキングが行われる場合もあります。また、自己顕示欲を満たしたり恨みを晴らしたりすることが目的の場合や、政治的な主張をアピールするためにハッキングが行われることもあります。
ハッキングによる被害
後述するように、ハッキングには多種多様な攻撃手法があるため、それによる被害もさまざまです。代表的な被害としては以下が挙げられます。
- 情報の窃取や漏えい
- Webサイトの改ざん
- サーバーの停止・遅延
- 別の攻撃の踏み台としての利用
こうした被害は、自社の社会的信用の低下、法的責任の追及、業務の停止、売上の悪化など、企業に甚大な損害をもたらす恐れがあります。
ハッキングの代表的な手口
ハッキングの代表的な攻撃方法としては、以下のような手口が挙げられます。
・ソーシャルエンジニアリング
ユーザーIDやパスワードを盗み出すために人の心理や行動の隙を突く手法です。例えば、パスワードを入力している様子を盗み見たり、誕生日などの個人情報からパスワードを推測したりすることが挙げられます。
・総当たり攻撃
考えられるパターンを片っ端から試してIDやパスワードを盗み出す方法です。類似した手口として、辞書に載っている単語やフレーズを使ってパスワードを解読しようとする「辞書攻撃」などもあります。
・ゼロデイ攻撃
まだベンダーが公表していない脆弱性をいち早く発見し、修正プログラムが提供される前に攻撃を仕掛ける方法です。
・SQLインジェクション
不正なSQL文をWebアプリケーションに注入してデータベースを操作する手法です。個人情報や機密情報が盗まれることがあります。
・標的型攻撃メール
特定のターゲットを狙って、巧妙ななりすましメールを送る手法です。受信者がファイルを開くと、マルウェアに感染してしまいます。
これらの手口は一部に過ぎず、実際にはさらに多くの手法が存在します。そのため、上記の攻撃のみを防げればいいというわけではなく、総合的なセキュリティ対策を講じることが重要です。
ハッキングされないために必要な対策
ハッキング被害を防ぐためには、セキュリティ意識の向上と、ツールの導入などによる技術的な対策の両方が求められます。
・セキュリティ意識を向上させる
まず必要なのは、セキュリティ意識の向上です。社員1人ひとりがハッキングの手口を理解し、基本的な対策を実行することで、リスクを大幅に減らせます。例えば、「怪しいメールやWebサイトは開かないようにする」「パスワードを定期的に変える」「公衆WiFiで会社のシステムやデータにアクセスしない」などです。いくら規則やツールを整備しても、社員のセキュリティ意識が低いと規則違反やうっかりミスなどでハッキングを受ける隙が生まれるので、社員のリテラシー教育にも注力しましょう。
・対策ツールやソフトを活用する
ハッキング対策をするには、個人の意識向上だけでなく、セキュリティツールの活用など技術的な対処も必要です。昨今のサイバー攻撃は非常に巧妙化しており、いくら個人が注意しても間に合わない部分はどうしても生じてしまうためです。
基本的な対策としては、「OSやソフトウェアなどを最新バージョンに保つ」「多要素認証を導入する」などが挙げられます。また、IPSは、ネットワーク上の不審なトラフィックを検知し、通信を遮断することでハッキングを防ぐツールとして効果的です。さらに、Webサイト運用をしている企業には、Webアプリケーションの保護に特化したツールであるWAFの導入をおすすめします。
ハッキング対策を強化できる「Cloudbric WAF+」
WAFの具体的なソリューションとしておすすめなのが「Cloudbric WAF+」です。Cloudbric WAF+は、Web上の不審なトラフィックを自動的に検知・ブロックします。これによって、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)、ゼロデイ攻撃など、多様なハッキングからWebアプリケーションを保護することが可能です。
まとめ
ハッキングは、企業にとって深刻な脅威です。被害を防ぐためには、セキュリティ意識の向上と先進的な対策ツールの導入が欠かせません。Cloudbric WAF+は、多様な攻撃から企業のWebアプリケーションを保護するための強力なソリューションです。これにより、企業は安心して業務を続けることができます。総合的なセキュリティ対策を講じ、ハッキングの脅威から企業を守りましょう。
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