APIとは、別々のソフトウェア間でデータなどのやりとりを行うための仕組みです。APIを連携すると既存のアプリケーションをそのまま活用できるため、自社で一から開発する手間が省けるなどのメリットを享受できます。
本記事では、APIの概要や機能、仕組み、活用するメリットなどを解説します。SNSや社内業務への活用事例も紹介するので、自社でAPIを有効に使い、ビジネスの可能性を拡大するために役立ててください。
APIとは? 意味を解説
APIとは、Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の略で、異なるアプリケーション(ソフトウェア)やシステムを連携させるインターフェースのことです。
インターフェースには「接点」「つなぐもの」という意味があります。APIは、異なるアプリケーションなどのサービス間において接点となり、情報の橋渡しの役割を担っています。
ここからは、APIにどのような機能があり、どのような仕組みでアプリケーション間をつないでいるのかについて解説します。
・APIの主な機能
APIの主な機能には、以下が挙げられます。
- データの共有・管理
- 特定のデータ・機能へのアクセス制限
- 外部機能の利用
API利用は、異なるアプリケーション間でのデータのやりとりを可能にします。APIにもさまざまな役割があり、データ分析APIを使用すれば、複数のシステムに分散しているデータを集約し、分析することが可能です。データへのアクセス制限を行うこともでき、特定のIPアドレスのみにアクセスを許可するなどのセキュリティ管理にも対応します。
また、API連携により、自社にはない外部機能を利用することも可能です。例えば、Google MapsのAPIを使用すれば、自社のWebサイトに地図を表示したり、経路検索機能を実装したりできます。自社でわざわざ地図を作製せずにすみ、専門外の作業に手間を割く必要がなくなります。
・API連携の仕組み
API連携は、利用者(外部サービスを利用したい側)とサービス提供者、そして間に入るAPIによって成り立ちます。連携するサービスにもよりますが、以下のような流れで連携を図ります。
- 利用者が特定のデータ開示や機能の要求(リクエスト)を行う
- APIはサービス提供者の受付係となり、リクエストを受け取る
- サービス提供者が処理を行う
- サービス提供者が処理結果をAPIに返す
- APIが利用者に応答(レスポンス)を行う
例えばECサイトなどで商品購入時にクレジットカードを利用する場合、カード番号や個人情報を入力します。しかし、たいていの場合、ネットショップのサーバーに個人情報は直接保存されません。専門的なセキュリティ対策が施されているクレジットカード会社のAPIを利用するのが一般的です。
ネットショップ(利用者)からリクエストが行われ、クレジットカード会社(サービス提供者)のAPIが受け付け、処理が終了すると、ネットショップにレスポンスを行います。ネットショップはさらに、受け取った決済結果を顧客に通知するといった流れです。
API活用のメリット
APIを活用すると、以下のようなメリットが得られます。
- 必要な機能を自社のために一から設計・開発しなくても外部サービスを利用できる
- 複数のシステムがもつデータを活用できるので、新たなビジネスチャンスにつなげられる
APIを通じて外部サービスを利用すれば、開発の手間やコストを削減できます。必要な機能をスピード感をもって実装できるのは、大きなメリットです。また、複数のシステムのデータを管理・分析することで、サービス改善や新たなビジネスチャンスにつなげられることもAPI活用の利点です。
ただし、セキュリティ対策はAPI提供企業により内容は異なるので、自社にとって十分かどうか確認しておきましょう。
API連携の活用事例
自社サービスにSNSやECサイトを連携させるほか、社内業務で使用するツール同士をAPI連携させる例があります。
・SNS
LINEやX、FacebookなどのSNSが提供しているAPIを活用することで、以下のようなことが可能になります。
- 自社サービスへの登録を顧客にしてもらう際、既存のSNSアカウントを利用してもらう
- 登録してもらったSNSアカウント情報のデータを収集・分析
- LINEなどのチャットボット機能をコミュニケーションツールとして利用
例えば、Xの口コミを分析したり、自社製品に合ったインフルエンサーを効率的に探したりすることが可能です。また、ヤマト運輸などではLINEのチャットボット機能が活用されています。リアルタイムで顧客とコミュニケーションをとる機能を利用すれば、ビジネスチャンスの創出につながります。
・ECサイト
ECサイトのAPI連携では、実店舗や自社サイトの商品在庫・顧客データなどの一元管理が可能です。例えばAmazon APIの場合、以下のように活用できます。
- APIで取得したAmazonの商品情報を自社サイトにリアルタイムで反映
- 商品出品・注文処理など、販売・管理機能の利用
- Amazonの顧客レビューやデータをAPIで収集し、顧客の嗜好や購入傾向を分析
商品情報などが自動で更新されるため、販売に関わる手間が大幅に省けます。AmazonがAPI連携しているクレジットカード会社の決済手段なども利用可能です。Amazonの膨大な顧客レビューやデータを活用し、競合製品との比較や顧客の購入傾向を分析できます。多くの企業が、商品の改善やマーケティング施策に利用しています。
・社内業務
社内業務の効率化にもAPIが役立ちます。例えば、ChatworkとSlackなどの異なるビジネスチャットツールを連携すればやりとりを一元化できます。また、自社のCRMと会計システムや生産管理システムなどもAPI連携可能です。自社に必要なAPIを選ぶことにより、部署同士や取引先などとの情報共有が簡単にでき、意思決定の迅速化などに役立ちます。
API利用にはセキュリティ対策が重要
API利用では、多くの個人情報や社外秘の情報などがやりとりされます。便利な反面、安全に利用するためには、セキュリティ対策の強化が重要となります。
具体的には、トークン(認証情報の一種)と署名の使用、通信方法の暗号化、アクセス履歴の把握などが挙げられます。しかし、ひとつひとつ自社で対応するのは困難です。あらゆる攻撃からWebサイトやアプリケーションを保護するためには、WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)などの利用が必須です。WAFはAPIセキュリティの重要な要素ですが、セキュリティ対策は自社にあわせ、多層的に構築しましょう。
まとめ
APIは、異なるアプリケーション同士をつなぐインターフェースです。API連携を行うと、外部サービス機能を自社サイトに組み込んで利用したり、データを共有・一元化したりできるなどさまざまなメリットを得られます。
安心してAPI連携を行うためには、セキュリティ対策を施す必要があります。WAF利用を検討中なら、「Cloudbric WAF+(クラウドブリック・ワフプラス)」がおすすめです。サービス内容は、以下を網羅しています。
- WAFサービス
- DDoS攻撃対策サービス
- SSL証明書サービス
- 脅威IP遮断サービス
- 悪性ボット遮断サービス
(参照:Cloudbric WAF+)
Cloudbric WAF+は、高度なクラウド型WAFサービスです。AWS WAF利用者専用の「Cloudbric Managed Rules」もあり、こちらではルールのサブスクリプションが可能です。事業内容や必要に応じてセキュリティサービスを選んで、API連携を行いましょう。
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