DDoS攻撃

2020年、主要DDoS攻撃事件まとめ

この1年を振り返ってみると2020年はコロナ一色でした。コロナ禍でオフラインでの活動が制限され、その分デジタルシフトが一気に進みました。様々なサイバーセキュリティ事件も発生しつつありますが、特に今回はDDoS攻撃に注目してみたいと思います。カルペルスキーの調査によると、2020年DDoS攻撃量が2019年に比べ3倍に増加しています。日本では不正アクセスの被害に比べ、DDoS攻撃への注目度は比較的に低いようですが、「DDoS攻撃の地理的分布」をみると、日本は初めて9位(0.18%)にランクインしていることが分かります。それでDDoS攻撃に対してより一層厳しい注意が求められます。今回は世界各地から発生した2020年第3四分期までの主要DDoS攻撃事件をまとめてみました。

 

分期別DDoS攻撃事件

第1四分期

1月:ギリシアでは政治的な動機で行われたサイバー攻撃が観測されました。政府機関及び応急サービスのWebサイトを狙った2回のDDoS攻撃の試みで首相、警察、消防署のWebサイトが一時停止されました。1回目の場合、トルコのハッカー組織「Anka Neferler Tim」が犯人であることが明らかになりましたが、2回目の犯人はまだ見つかっていません。

3月 : 3月中旬、新型コロナウイルス感染拡大への対応で重要な役割を担う米保健福祉省(HHS) のWebサイトからDDoS攻撃の試みが検知されました 。この攻撃はデータの窃取などを目的としたものではなく、新型コロナウイルスにおける対応への妨害が目的とみられます。
ドイツとホランダのフードデリバリーサービス会社のLieferandoとThuisbezorgdは DDoS攻撃によるシステム障害で、顧客の注文をまともに処理できなかったため、全額返金するといった事件が発生しました。Lieferando社の場合、DDoS攻撃の停止と引き換えに2BTC ($ 13,000 USD以上) を要求されました。

第2四分期

5月:5月には特に米国の人権団体を狙ったDDoS攻撃が急増し、1ヶ月で約1,120件の攻撃が報告されました。これらの攻撃は米ミネソタ州のミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドが警察の不適切な対応で死亡した事件への抗議デモを妨害させる目的でした。抗議デモが広がるにつれてミネアポリス市警への不満も寄せられ、市警のWebサイトを狙ったDDoS攻撃も発生しました。犯人はハクティビズム(政治的主張を基づきハッキング行為を行う)のハッカー集団「アノニマス」で、「ジョージ・フロイドの死」事件に対するネアポリス市警の犯罪事実を暴露する目的で攻撃を行い、ミネアポリス市警のWebサーバがダウンしました。

6月:6月中旬から7月初旬まで、ロシアでは憲法改正の是非を問う国民投票が実施され、投票期間中に中央選挙管理委員会とオンライン投票サービスを狙らったDDoS攻撃が発生しました。
6月中旬、米国の情報セキュリティ会社Cloudflareは6月18日から21日まで四日間DDoS攻撃を受けました。この攻撃は1秒あたり最高7億5400万パケットの速度を持ち、極めて大規模なDDoS攻撃でした。攻撃トラフィックは31万6000以上のIPアドレスから発信されたもので、Cloudflareの無料プラン利用者が使っていた1つのIPアドレスを狙った攻撃であったと見られています。

 第3四分期

2020年第3四分期は多数の組織がArmada Collective、FancyBear、Lazarus などのハッカーグループから脅迫メールを受け、DDoS攻撃の停止と引き換えにビットコインで身代金を要求された事件がありました。

8月~9月:脅迫型DDoS攻撃の標的となったNew Zealand Stock ExchangeのWebサイトが数日間オフラインになる事態が発生しました。その他にもPaypal、Braintree、 Indian Bank Yes Bank 及び多数の金融機関にビットコインで金額を要求する脅迫メールが送られたことが確認されています。
また第3四分期では、メディア組織を狙ったDDoS攻撃事件が少なからずありました。ロシアのテレビ放送局のDozhd は8月24日、週・夜間放送中、ニュース報道を停止させようとする攻撃を受けました。携帯キャリアのUgraproも9月初旬頃、一秒あたり5,000パケット以上のジャンクトラフィック攻撃がロシアや他の地域から送り付けられ、大きな被害を受けました。

 

2021年DDoS攻撃動向予測

2020年も残り僅かとなりますが、いまだに新型コロナの流行は落ち着いていない状況です。クリスマスと年末年始を迎え盛んになる取引行為も主にオンライン上で行われると予測できます。このようなオンライン活動の増加がDDoS攻撃被害の原因にならないように細心の注意を払うことが重要です。

今回の2020年主要DDoS攻撃を調べてみた結果、DDoS攻撃は地域や産業群を問わず発生していること、そしてDDoS攻撃者は社会・政治面における話題に伴って動いていることを把握できました。企業のセキュリティ担当者は以下のようなトピックにおいてDDoS攻撃の可能性を常に念頭に置く必要があります。

デジタルトランスフォーメーションと2021年オリンピック

企業にはDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて事業競争力を向上させることが重要な課題となっていますが、その一方サイバー攻撃の被害が増加していることもデジタル化の過程で解決すべきの問題であります。今年にDDoS攻撃の発生が増加したのは、コロナ禍につれて一気に進んだデジタルシフトが主な原因だと見られているため、DXの推進と共にDDoS攻撃への警戒心を持ち、被害を未然に防止することが重要です。

2021年開催予定である東京オリンピックもDDoS攻撃者にとって良いチャンスになる可能性があります。Ciscoの報告書によると、2016年リオオリンピックで約1カ月間の大会期間中に検知されたDDoS攻撃が223回で、極めて大規模な攻撃が行われました。2021年の東京オリンピックでこのような攻撃が発生しないという保証はできません。

加速するDXと国際的なイベントであるオリンピックによって大規模なサイバー攻撃に露出されないためには、DDoS攻撃を含むサイバーテロに徹底的に備える必要があります。

Cloudbricは全てのレイヤーに対するDDoS攻撃を遮断し、大規模のDDoS攻撃にも速やかに対応できる「Advanced DDoS Protection」を提供しております。「Advanced DDoS Protection」は、全世界45ヶ所のエッジロケーションからDDoSインテリジェンスを収集・分析・配信を行うため、様々な手段で攻撃を仕掛けてくるDDoS攻撃を防いで安全なオンライン環境を構築します。
詳細は下記のリンクをご確認ください。

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DDoS対策

さらに巧妙化し進化を遂げるDDoS攻撃に対する有効な防御手段について徹底解説

DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃は、件数の増加とともに規模が拡大する傾向にあります。IPAが公表する『情報セキュリティ10大脅威 2020』にもランクインしている「サービス妨害攻撃によるサービスの停止」も、DDoS攻撃によりサーバに大量の処理要求を送信し高負荷状態にする手口として紹介されています。インターネット上の公開サーバに複数のコンピューターから一斉に大量のデータを送り付け、ネットワークやシステムを飽和させて利用できないようにするDDoS攻撃の脅威がここ数年、急激に高まっています。昔からある攻撃ですが、近年はさらに巧妙化し防御が難しくなっているとも言われています。そこで今回はDDsoS攻撃について詳しくまとめ、進化する攻撃に対する有効な防御手段『Advanced DDoS Protection』についても紹介していきたいと思います。

 

DDos攻撃とは

ネットワークを介してインターネット上で多くのサービスが提供されています。攻撃者はそういったウェブサイトや組織で利用しているサーバに対して大量の処理要求を送ります。処理が追い付かなくなるほどの処理要求を受けたウェブサイトやサーバは、閲覧ができなくなったり、処理が遅くなったりするなど、サービスの提供が正常に行えなくなります。こうした攻撃は、DoS攻撃(Denial of Service attack)やDDoS攻撃(Distributed Denial of Service attack)と呼ばれる攻撃によって引き起こされます。Dos攻撃は単一のコンピューターからの攻撃ですが、DDos攻撃は複数のコンピューターからの攻撃です。Dos攻撃もDDos攻撃も最終的な目的は同じですが、ターゲットにされたサーバの処理が停止し、次のような『サービス妨害攻撃によるサービスの停止』に陥ります。

  • 企業のホームページが閲覧できなくなる
  • ECサイト、イベントチケットの販売等、ネット販売サービスの提供ができなくなる
  • 動画配信サイトのサービスが停止する

こうしてDDoS攻撃の標的になってしまうと、企業は正常なサービスの提供ができなくなり、企業としての信頼性を損ねたり、営業機会の損失により莫大な金銭的被害を被ったりします。

Security Magazineのレポートによると、2020年第1四半期の DDoS 攻撃は、2019年第1四半期と比較して278% 増加し、2019年第4四半期と比較すると524%の増加になったとも報告されています。

 

DDos攻撃の対策

DoS攻撃は、標的となるWebサーバにリクエストを送りつける攻撃と、Webサーバの脆弱性を悪用する攻撃の2種類に分けることができます。前者には、大量のリクエストを送りつける「フラッド(洪水)攻撃」や、ホームページがデータのやりとりをする仕組みを悪用する「スロー攻撃」などがあり、DDoS攻撃はこの2種類の発展型といえます。サイバー犯罪者は、パソコンをボットウイルスに感染させ、遠隔操作を可能にすることで、数千台、数万台のパソコンからDoS攻撃を行えるようにしました。ボットウイルスに感染したパソコンから、発信元を攻撃先のWebサイトに偽装したリクエストを送りつけ効率よく攻撃します。一般的な対策として、IPS・IDS、WAF製品による防御がとられています。

IPS(Intrusion Prevention System)

IPSは不正侵入防御システムと呼ばれ、すべてのトラフィックを監視し、洗浄することで正常な通信のみをサーバに送るという役割を果たしています。そのため、DDoS攻撃もIPSによって検知され、洗浄されます。大規模なDDoS攻撃は、IDS(不正侵入検知システム)などで検知することができますが、小規模なDDoS攻撃は、企業が一般的に検知できるレベルを下回るため、攻撃を受けていることに気づきにくいデメリットがあります。しかも、最近は小規模かつ隠密性が高いDDoS攻撃が増えているとも報告されていてやっかいです。最近の小規模DDoS攻撃では、サーバを停止させずに、サーバのパフォーマンスを長期間にわたって下げることを目的にしています。こうした攻撃が長期にわたって行われることで、知らず知らずのうちに大きな被害を受けることにつながる危惧があります。

WAF(Web Application Firewall)

Webサーバの脆弱性を悪用しようとするDoS攻撃には、WAF(Web Application Firewall)も効果的な対策となります。WAFは、アプリケーションレイヤーで不正な通信を遮断し、脆弱性を悪用しようとする攻撃を検知してブロックするため、たとえ脆弱性が存在したままでもDoS攻撃を防ぐことができます。WAFではIPS・IDSが対処できないWebアプリケーションへの攻撃、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングといった攻撃にも対応することが可能です。

DDos攻撃の対策にはどちらの対策のほうがより効果があるということではなく、それぞれ防御するレイヤーが異なるので組み合わせていくことがより効果的な防御につながります。さらには、近年の巧妙化するDDoS攻撃には、こうした一般的なIPS・IDS、WAF製品だけでは物足りない状況も発生しています。攻撃側の進化に伴い、防御にはより高速でリアルタイムに処理できる技術が今求められているからです。そのひとつのソリューションとして、エッジコンピューティングを活用したクラウドブリック(Cloudbric)の『Advanced DDoS Protection』をご紹介します。

 

『Advanced DDoS Protection』のアドバンテージ

エッジコンピューティングを活用した高速処理

クラウドブリック(Cloudbric)の『Advanced DDoS Protection』はエッジコンピューティング技術を活用し、より確実に防御を実現しています。

エッジコンピューティングとは

エッジとは、モバイル機器などのデバイスや、無線基地局、局舎などネットワークのユーザ側終端ことを指します。こうしたエッジ上の機器でデータ処理を行うことを「エッジコンピューティング」と呼ばれています。エッジコンピューティングでは、大量のデータ処理を、多数のエッジ、クラウドにまたがって実行します。エッジコンピューティングでは、ユーザ側機器で発生する膨大なデータをクラウドですべて処理するのではなく、生成元であるエッジ上で処理することで、処理を分散するアーキテクチャに変化してきています。エッジ側でデータ処理を行うことでリアルタイム性の確保、セキュリティリスクの低減、通信量の削減を実現できるテクノロジーです。あらゆるモノがネットワークに繋がるIoT時代で特に求められている技術で、クラウドとエッジで適切な機能配置を行うアーキテクチャが今後主流になるといわれています。

Advanced DDoS Protectionはこのエッジコンピューティングを活用し、保護対象と物理的に近い場所にあるエッジロケーションを通じてワークロードを分散させ、安定的なリクエスト送信を行います。それによって、DDoS攻撃が発生した際に効率的な作業及び即時対応が可能になります。待ち時間が60%短縮されたエッジコンピューティングと、エッジロケーション間の専用ネットワーク構築により、DDoS攻撃に対し従来に比べ10倍以上の速さで快速に対応できます。

この高速処理により、1秒当たり最大65テラバイト(Tbps)規模の攻撃まで防御可能です。大量のトラフィックによる大規模で高度なDDoS攻撃に対する緩和機能を提供できるので、最大規模の攻撃にしっかり対応できます。

 

Advanced DDoS Protectionの機能

リアルタイムネットワーク保護

インフラへの攻撃に対しリアルタイム検知・分析及び遮断を行います。また、インラインで遮断されたトラフィックはグロバール・ファイバーバックボーンを通じて分散されます。

様々な種類の攻撃にしっかり対応

UDP、SYN、HTTP Floodなど、ネットワーク層(L3,4)からアプリケーション層(L7) まで、様々なDDoS攻撃に対し、最善のセキュリティ対策を提供します。

脅威を自動検知するインテリジェント機能搭載

悪性のDDoSトラフィックをインテリジェントにルーティングするために開発された「フィルタリング・アルゴリズム」により、許可、遮断に関するルールが自動的に作成されるため、どんな攻撃にも迅速に対処できます。

DDoS攻撃は年々巧妙化・複雑化し、進化を続けています。従来のセキュリティ対策では防ぎきれないため、新たな脅威に対する備えが必要です。頻繁に行われる従来型DDoS攻撃から、マルチベクトル型攻撃やアプリケーション攻撃などまで、全範囲におけるDDoS対策サービスを提供するのが、Cloudbric ADDoSです。

Cloudbric ADDoSの詳細はこちら

Cloudbric ADDoS

cloudbric - press release

クラウドブリック、エッジコンピューティング技術を用いたDDoS対策サービスを新リリース

情報セキュリティ企業のペンタセキュリティシステムズ株式会社(日本法人代表取締役社長 陳 貞喜、https://www.pentasecurity.co.jp、以下ペンタセキュリティ、韓国本社、ヒューストン/米国法人)は10月6日、クラウド型WAF「クラウドブリック(Cloudbric、サービスサイト:http://139.162.127.206/jp)」において、DDoS(分散型サービス妨害)攻撃をより効果的に防御するためエッジコンピューティング技術を適用したセキュリティサービスを提供すると発表した。

情報処理推進機構(IPA)が発表した「情報セキュリティ10大脅威2020」によると、組織におけるセキュリティ上の脅威として「サービス妨害攻撃によるサービスの停止」がランクインしている。またIoTの普及につれ、IoT機器を踏み台とし、サービスやネットワーク、サーバーに悪影響を与える大規模DDoS攻撃の被害も第9位に報告されている。そのような状況で、企業や組織などでは、日々高度になっているDDoS攻撃に対して被害を予防する徹底した対策が求められる。

クラウドブリックはこれまで自社のWAF機能にCDNサービスを提供していたが、そこに全世界18ヵ国28ヵ所のリージョン基盤エッジコンピューティング技術を用いることでより一層強固なDDoS対策サービスを提供する。従来に比べ、10倍以上の速さで対応し1秒当たり最大65テラバイト(Tbps)規模の攻撃まで防御可能になる。毎年20%ずつ増加するマルチベクトル型攻撃(multivector)からSlowloris, RUDYなどのアプリケーション攻撃に至るまで、様々なパターンのDDoS攻撃に対応可能である。

ペンタセキュリティ日本法人代表取締役社長の陣は、「2015年からグローバルサービスを展開してきたクラウド型WAFのクラウドブリックは、全世界に設置されているエッジを通じてDDoS攻撃に対するインテリジェンスをリアルタイムに収集し分析を行っている」とし、「エッジコンピューティング技術を用いたクラウドブリックは、DDoS攻撃だけでなく、日々高度化・複雑化しているWeb脅威に対し先手を打てる根本的な予防策であり実用的な解決策になると期待される」と述べた。

DDoS Thumbnail

狙われているからこそ知るべき、DDoS攻撃の4つの種類

もはや全てのWebサイトがハッカーに狙われているといっても過言ではない時代です。特にDDoS攻撃は、政府機関や自治体からエンタープライズのWebサイトに至るまで、対象や規模に関係なく被害を起こしています。しかし、被害をただ受けているわけにはいきません。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉の通り、敵を正しく理解することこそが被害を防ぐ近道なのです。そこで今回は、DDoS攻撃を4つの種類に分類し詳しく紹介したいと思います。

 

手口によって分類される、DDoS攻撃の4つの種類

DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃とは普通「数十台から数百万代のPCをリモート操作し、特定のWebサイトに同時に接続させ、短時間で過負荷を起こす攻撃」を意味します。最近シャープがマスク販売を始めた際、Webサイトがダウンした(引用: PHILE WEB)事件をご存知でしょうか。このように多数の人が一つのサイトにアクセスする場合、サーバの能力ではすべてのリクエストを処理できずWebサイトの動作が止まる、というケースが頻繁に起きています。そして、そのような現象を人為的に作り出すのがDDoS攻撃です。

しかし、すべてのDDoS攻撃が同じような形で行われるわけではありません。その手口によって「ボリューム攻撃」、「プロトコルを狙った攻撃」、「アプリケーション層攻撃」、そして「混合型攻撃」に分けられます。

ボリューム攻撃

ボリューム攻撃はDDoS攻撃の中でも最も一般的な形です。正常なトラフィックさえもWebサイトに接続できないようにすることが目的です。ハッカーはインターネットに繋がった多数のPCを利用します。そして、目標とするサイトで定められている量以上のトラフィックを送信し、サーバが使うことのできる帯域幅を封鎖します。

代表的な例としては、「UDP Floods」を挙げることができます。UDP(User Datagram Protocol)とは、セッションを持たない、つまり応答を待たないネットワークプロトコルです。IP(Internet Protocol)製品群には必ず存在するのでハッカーに利用されやすい、という特徴を持ちます。ハッカーはUDP Floodsを実行するため、まず対象となるホストのポットを奪取し、さらに多くのUDPが受信されるようにします。その結果、リクエストをシステムが処理できないほど受信されるトラフィックが増え、サーバがダウンします。

プロトコルを狙った攻撃

プロトコルを狙った攻撃(以下プロトコル攻撃)はボリューム攻撃と違い、帯域幅ではなくサーバのリソースを消耗させる形をとります。またその攻撃目標も、ファイアウォールやロードバランサなど、サーバとWebサイトを繋ぐ「中間通信装備」をターゲットとします。ハッカーは対象となるサーバのリソースを使用するため、まず不正なプロトコル要請を作成し、Webサイトとサーバのリソースを掌握します。
代表的な例としては、「Smurf DDoS」を挙げることができます。ハッカーは目標となるサーバから奪取したIPを含む、ICMP(Internet Control Message Protocol)パケットを悪用します。特にその中でも、メッセージおよびデータパケットをネットワークシステムに転送する際に使用される「IPブロードキャストアドレス」が主に利用されます。基本的にネットワークに存在するほとんどの装置が応答するように設定されている、という特徴を持ちます。ハッカーはまず、目標とする装備のネットワークにターゲットとなるデバイスのIPブロードキャストアドレスを転送します。よってネットワークに存在するデバイスの数が十分に多い場合、被害者のデバイスにトラフィックが集中し、サーバがダウンします。

アプリケーション層攻撃

アプリケーション層攻撃は、その名の通りアプリケーションの脆弱性を攻撃する形です。Apache、WindowsやOpen BSD等のアプリケーションが主なターゲットとされます。一般的にボリューム攻撃およびプロトコル攻撃よりも少ないリソースを要します。また、特定のアプリケーションを対象にするため、把握しにくい場合があります。主にオンラインコマースなど、特定のWebサイト機能をターゲットに行われるケースが多数発見されています。ハッカーはユーザのトラフィック行動を模倣し、一見正常に見える多数のリクエストを送信してサーバを麻痺させます。

代表的な例としては、「Slowloris」を挙げることができます。一つのWebサーバを通じ、他のサーバも麻痺させる手口です。ハッカーが利用するのは「HTTPヘッダ」です。HTTPヘッダはクライアントとサーバが情報を交換できるよう許可する役割を随行します。ハッカーはまず、ターゲットとなるサーバに接続し部分的なリクエストのみを転送して、多数のサーバへの接続をできるだけ長く保留させます。その後、多数のHTTPヘッダに対する部分的なリクエストのみを持続的に転送します。サーバが処理できるリクエストの最大値を超えるにつれ、リクエストを処理できないようになり、サーバがダウンします。

混合型攻撃

多数のDDoS攻撃はボリューム攻撃、プロトコル攻撃、そしてアプリケーション層攻撃という3つの分類に収まります。しかし、DDoS攻撃は毎分毎秒精密に、そしてさらに巧妙に進化しているので、全ての攻撃をその中に含めるのは不可能です。実際、混合型攻撃は最近最も多く発見されている手口です。その言葉通り、二つ以上の攻撃を重ねた形で行われます。

代表的な例としては、プロトコル攻撃を仕掛けて注意を散らし、アプリケーション層攻撃を追加的に行うケースを挙げることができます。アプリケーションの脆弱性を探し出す過程には時間がかかるため、まずターゲットを混乱させた後時間を稼ぐのです。その他にも多数の混合型攻撃が発見されており、その頻度や被害規模が増加している状況です。

 

最後に

DDoS攻撃は、この先にも絶えず発生するでしょう。その被害から逃れるには、「うちのWebサイトは安全だろう」と言った甘い考え方から脱却する必要があります。徹底した備えこそがWebサイトと企業の情報を守る第一歩です。DDoS対策として企業側で最も簡単に取れる対策としては、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の導入が薦められます。

ペンタセキュリティはWebアプリケーションレベルでのDDoS攻撃へ対応できるクラウド型WAF、「クラウドブリック」を提供しています。高セキュリティを保ちながらも、中小企業でも手軽に導入できます。DDoS攻撃を防御するための合理的な対策を、下のリンクを通じご確認ください。

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DDoS攻撃が迫りくる

DDoS攻撃

人気アイドルグループBTSが新曲をリリースすると同時に、YouTubeのサーバがダウンしました。原因は、BTSの新曲のPVをいち早く見たいファン達が一斉に殺到し、サーバに負荷がかかりすぎてしまった事でした。Youtubeだけではなく、韓国の音楽配信サイトが次々とアクセス不能になったそうです。

 

[DDoS攻撃とは?]

このように、特定Webサイトに同時にアクセスが集中して、サーバやネットワークが処理できない程多いトラフィックを瞬間的に起こすと、サーバがダウンしてしまいます。正常なトラフィックによるサービス中止の場合は、単なるハプニングになり、サービスまたはコンテンツの人気が証明される事になります。

しかし、ハッカーが数百万台のPCを操って特定Webサイトに同時アクセスさせ、短時間内に過負荷をかけるサイバー攻撃もあります。
このような攻撃を「DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃」といいます。

 

[DDoS攻撃による被害は?]

攻撃者は、処理しきれない程大量のトラフィックを瞬時に送りつけてサーバをダウンさせますが、これによって一般ユーザは意図とは裏返してWebサイトへのアクセスが遮断されます。DDoS攻撃の主な目的はサーバをダウンさせてサイト運営に支障が出るようにする事で、資料を流出したり削除する攻撃とは少し異なるサイバー攻撃でした。

しかし、最近はDDoS攻撃によってダウンしたサーバを攻撃して個人情報などを流出する事件も多くなっています。DDoS攻撃自体は、単純にサーバをダウンさせる攻撃ですので、他のサイバー攻撃に比べて被害が少ないと考えがちですが、持続的なサービス運営が重要なECサイトや 官公庁のWebサイトはサーバが数時間ダウンするだけで致命的な被害があるかもしれません。

まず、ECサイトの場合、顧客が商品を多く購入する曜日・時間帯にWebサイトがアクセスできなくなったら、他の競合他社に顧客を取られてしまって営業損失が発生します。

また、官公庁の場合、重要なお知らせを発表出来なくて困ることになる可能性があります。特に、天気予報や災害に関する案内をする官公庁のWebサイトのサービスが中止してしまったら、大きい混乱を招いてしまい、市民の利便性、更には命に危険を与えます。

 

[DDoS攻撃被害事例]

2017年6月17日、SQUARE ENIX社のオンラインゲーム「Final Fantasy XIV」のオンラインサーバが、外部によるDDoS攻撃を受けてネットワーク障害が生じました。これによって、ネットワーク機器及び回線に高い負荷が発生し、ユーザの意図とは裏返してサーバから遮断されたりログインが出来なくなる状態になりました。当然ユーザがゲームを楽しめない状態になり、この状態は21日まで続きました。21日18時半過ぎになってサーバは復旧され、22日から正常な運営が出来るようになりました。この事例の場合、幸いユーザの個人情報流出はありませんでした。

 

[DDoS攻撃からWebサイトを守る為には?]

最近はアプリケーションの脆弱性を狙ってWebサーバを直接攻撃する場合が増加しています。これはWebサーバの全ての情報が消えたり流出するという致命的な結果をもたらす事ができます。

クラウドブリックのWAFは、アプリケーションの脆弱性を狙う全てのWeb攻撃を迅速で正確に検知・遮断します。DDoS攻撃を遮断してWebサーバに発生する被害を予防し、ネットワークの拡張を行いネットワークがダウンしないようにします。

また、最も一般的な攻撃から最新トレンドのマルチバクタ攻撃・アプリケーション攻撃(Slowloris, RUDYなど)まで全範囲のDDoS攻撃からWebサイトを保護します。